第3章 春高予選
ー影山side
俺だって分かってる
橘さんが中途半端な気持ちでマネージャーやってるわけじゃないことぐらい
それでも
月島が歩って名前で呼ぶ度
他の男がチョッカイ出す度
俺の中の知らない感情が燻って、どうしようもなくなる
いつでも俺に優しくしてくれてたのに
それが自分にだけじゃなかったって拗ねて
ひでぇこと言った
あの日青城に放って帰って、あの後どうしたのか知らねぇけど、次に会った時急に髪切って…それもまた似合ってて
もしかして俺のせいで?
もうよく分からん
バレー以外のこと考えんのは苦手だ
とりあえず今は目の前の練習に集中
俺が変にあーだこーだ考えて調子崩したら
元も子もねぇ
「おねがいしあーす」
俺は体育館の扉を開けて入る