第10章 ゴミ捨て場の決戦!
球彦は翔陽の囮に気を取られ
旭さんの際どいストレートが音駒コートに刺さる
球彦だけじゃない
おれだって動けなかった
『これは強烈…!
一瞬崩れかけた烏野の空気を見事ブッタ切ったエース東峰ー!』
音駒24:25烏野
セットポイント
翔陽のサーブ
トラがレシーブして
おれは…
「犬岡!」
犬岡にトスをあげたけど、スパイクは月島に引っかかる
「ワンチ!」
そこから烏野のシンクロ攻撃
旭さんが放ったスパイクもブロックが触る
「ワァンチ!」
クロが叫ぶ
『両校ブロックが非常〜にいい仕事してますよ』
そしてコッチもシンクロ攻撃
なにも烏野の専売特許じゃないからね
極小モーションからトラに上げる
月島だって澤村さんだってギリギリ反応できるレベルのスパイクなのに…
そこには翔陽がいた
…やっぱり
翔陽は戦う度新しい
翔陽が身体全体でレシーブしたボールはダイレクトで返り、音駒コートに転がった
『レシーバーを吹き飛ばす強烈なスパイク!
しかしこれは直接音駒コートへ落ちるーっ!』
これで2セット目は烏野が勝って
勝負は3セット目にもつれ込む
ハァハァ…
フルセットか…
チラリとギャラリーに目をやると真剣な眼差しでコートを見つめる歩と目が合った
そう言えば歩もいつも違う顔をしてる
真剣にマネージャーの仕事してる顔
試合の成行を見守る不安そうな顔
チームが勝って喜ぶ顔
恥ずかしそうに照れる顔
そして今朝月島に見せてた極上の笑顔
でもおれはそれだけじゃ足りない
怒った顔も見たいし
泣いてる顔も見てみたい
それにおれだけしか知らない顔も見たいと思う
今は月島のことが好きなのかもしれないけど
まぁそんなの関係ないよね
そもそもが課金もなしでSSRを手に入れるなんて無理な話だし…
攻略にコツコツ長い時間掛けるのも嫌いじゃない
だから今のところは自由にしてあげる
さてと…
今はこのワクワクする試合の続きを
やらなくちゃ