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FLYHIGH(ハイキュー)

第9章 春高!


ー歩side

稲荷崎27:27烏野

あと少し…あと少し…

やっちゃんと2人、首からかけた通行パスを握りしめながらコートを見守る



角名さんのスパイクに反応したツッキーが跳ぶ

スパイクはツッキーの腕の横を抜けていくけど、その先には…



「翔陽…」

擬似ユース合宿での自主練を思い出す

いつの間にかツッキーが翔陽に背中を預ける様になってたなんて…

涙で視界が歪む



このド終盤に来て、一糸乱れぬ影山くんのトスワーク

そして東峰さんの美しい空中姿勢から繰り出される強烈なスパイクでブレイク

マッチポイント…


「あと一点」

やっちゃんが絞り出す様に言う



影山くんの大胆不敵なツー

ツッキーのトリッキーなサーブ

一進一退

気迫のこもったプレーに胸がギュウと締め付けられる

必死で涙を拭いながら食い入る様にみんなを見つめる


必死になればなるほど

ラリーが続けば続くほど

気持ちが前のめりになるほど


速くなる

一つ一つのプレーが速くなる

視界が狭くなり呼吸が浅くなる



烏養コーチの

「ゆっくり!ゆっくり!」

という声も選手の耳には届かない




速いプレーは確かに相手も翻弄するけど、自分たちの首も絞めていく

まずい…このままじゃ…



その時


「オーライ!」


ゆったりとした翔陽の声


ポーンと高く弧を描くボール




擬似ユース合宿のある日、国見ちゃんのプレーを見た翔陽との会話を思い出す
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