第9章 春高!
試合が終わり、後片付けをしてアリーナを出る
「私たちも食べれるうちに食べた方がいいよね」
やっちゃんがみんなにお弁当を配りながら言う
「うん、パッと食べてしまおう」
お弁当を食べ終えると、私はギャラリーに降りて音駒の試合を見守る
相手のスパイクがどれだけ強烈でも、音駒は拾う、拾う
繋いで繋いで、いつの間にか打つ所がなくなって、相手チームのボールはアウトになる
やっぱりうまいな…
で、私は知ってる
明日稲荷崎と戦う
正直勝敗はどうなるか分からんけど、もし勝ったら
次は音駒との戦いになる
「ワァンチ!」
コートから黒尾さんの声が響く
ツッキーは…黒尾さんに、あのブロックに勝たなければいけない
結局試合は音駒のストレート勝ち
試合結果を見て、チームのみんなの所に戻ると大地さんが
「飯食ったら少し時間あるから、買い物とかしてきてもいいぞ」
と声をかけてくれて、翔陽と山口くんは変Tを物色しに出掛けていった
「大地さん、私梟谷の試合見てきてもいいですか?」
「おう、集合時間に間に合えば構わないぞ」
大地さんに許可を取り、急いでサブアリーナに向かった
どうせ木兎さんのことやから、メインアリーナが良かった!とか言って拗ねて赤葦さん困らせてるんやろ
2人を想像するとフフッと笑みが溢れる
で次の瞬間、壁ドンされて真剣な顔で見つめてきた木兎さんと、いきなりキスしてきた少し強引な赤葦さんを思い出す
「うわぁぁぁ!!何で今思い出すねん!!」
頭を掻きむしりながら煩悩を追い出して、サブアリーナに入り、得点ボードを見上げる
え、負けてるやん