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FLYHIGH(ハイキュー)

第2章 合宿


ー影山side

森然高校での合宿

新速攻の練習を夜遅くまで出来る環境は、本当にありがたい

夜練は大体橘さんと谷地さんがボール出しをしてくれる

昨日、橘さんは山口を追いかけて行ったまま戻ってこなかった

何故かそれを気にしている自分がいたけど、練習に集中することで忘れようとした



朝は誰よりも早く起きて日課のロードワークをする

いつもペナルティをさせられる裏山の上を通りかかると、人がいることに気づく

あれは…月島と橘さん?

気になって不自然にならないように近づく

橘さんは俺に背を向ける方向に座っていて、月島がその向かいに立っている

ふと月島と目があった気がした

ヤベェ

パッと目を逸らす




『僕は別にいいよ、歩にキスしたの見られてても』




今何つった?

頭回んねぇ

ああ、あいつら付き合ってたのか

そうか名前で呼んでるもんな

合宿でキスか

橘さんは俺に優しかったんじゃなくて、ただの親切な人

特別でも何でもなかった

日向と喧嘩した日、怪我の手当してくれて2人で帰った帰り道も

新速攻の練習で遅くまでボール出し付き合わせて、拳を突き合わせたあの日も

彼女にとっては何でもなかった






そっか





やっぱ俺にはバレーだけだ





それから吹っ切れたように練習に集中して、段々とチームの歯車が噛み合ってきた

あの日から夜練のボール出しは、橘さんが毎日してくれたけど、必要最低限しか話さなかった

最終日やっと新速攻が試合中に決まった

結果は負けだったけど

俺たちは全国で戦える



合宿の最後はバーベキューだった

あー腹減った










みんなが入り乱れて肉の争奪戦が起きている

谷地さんがでかい選手に取り囲まれて連れてこられた宇宙人みたいになっている

橘さんは…

何故かキャプテンたちの前に仁王立ち

「クロさん、連絡先教えてください!」



何で急に?

黒尾さんのことが好きなのか

いや、好きって雰囲気でもないか

そもそも月島と付き合ってんだろ



「いいよ、今度デートしようね。歩ちゃん」



は?意味わかんねぇ

考えたくねぇ

俺は無心で肉を貪り続けた

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