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FLYHIGH(ハイキュー)

第8章 それぞれの春高まで


ー宮治side

はぁ?まじでオカン何言ってんの?

侑のかわりに俺にしといたらいいのになんて

俺自身が100万回思ったわ

てか当然そうなるもんやと思った

2人が別れたって聞いた時、顔同じで性格ちょっとマシな俺と付き合ったら万事解決ちゃうん?て思ったけど

歩は逃げるように転校した


そんで俺にとってそれは、歩がどんだけ侑のことを好きやったかって思い知らされる出来事やった

ついでに、俺では代わりは務まらんって現実をまざまざと見せつけられて、地味にショック受けた


でも大体、俺やってガキん時からずっとずっと歩が好きやった

侑も歩を好きなんは分かってたけど、別にそんなん何とも思ってなかった
双子やし…そんなもんやろ的な?

でも…いつからか歩の侑を見る目が明らかに変わっていった

ああ、歩は侑のことが好きなんや…

なんやアイツ、趣味悪いなぁ

どう考えても俺の方がええ男やろ


ってモタモタしてる間に2人は恋人同士になって…

でも不思議と嫌ではなかった

歩が俺以外と付き合うとしたら、まだ侑がマシやし

それに侑とおる時の歩はええ顔しとった

いつも楽しそうで、幸せそうで…

俺はいつしか歩が義妹ってのもアリやなとか思うぐらいになってた



ーでもあの日


帰宅して、玄関を見回すけど歩の靴はない

階段を上がって部屋のドアを開けながら

「おい、お前歩が来るから、俺に小一時間散歩しながら帰ってこいとかゆーといて、肝心の歩は、どこ…え?」

勢いよく話してる途中で、部屋が真っ暗なんに気づく


なんや、侑もおらんのかと思って

パチッと電気をつけると

「ウワァァァァァッ!おったんかい!びっくりするやろ!何してんねんこんな真っ暗な部屋で!?」

侑は電気もつけんと、真っ暗な部屋で座っとった

「なんや…お前か」

こっち向いてボソッと言うた侑の顔を見て驚いた

なんやコイツ

泣いとるやん…


侑が泣いてんのなんかガキん頃以来、見た覚えなかったし

それで俺は、歩となんかあったんやなって思った

なんかってゆーか多分振られたんやろ

…でもなんで?
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