第2章 合宿
「じ、自主練?!ツッキーがですか?」
昨日の夜は翔陽と影山くんの新速攻のボール出ししてたから、ツッキーがその後何してたか知らんかった
「そ、まぁ無理矢理誘ったんだけど」
「ありがとうございます!!!!」
私は黒尾さんに90度にお辞儀をする
「ぬわっ!どうしたの?!」
「なんかツッキーってね、めっちゃ自信ないんですよ。背も高くてクレバーやのに、どっか卑屈で…自主練もほとんどしてなくって、でも私ただのマネージャーやから、あんまりうるさく言うのも違うし…だから、誘ってあげてください!」
「う、うん」
「私、この前合宿来た時に、ツッキーには黒尾さんみたいになってほしいって思ったんです!だから、断っても引きずり回して連れてってください!」
黒尾さんの両手をガシッと掴んで見上げる
「いやぁ…アツいね」
「わっ!私ってば調子乗りすぎました」
慌てて手を離そうとする
…離れない
「く…ろおさん?」
「歩ちゃんはイイ女だね、じゃあメガネ君をヤル気にさせたら何かご褒美でも貰おうかな?」
「ご、ほうびって何ですか?」
「んー、歩ちゃんの連絡先でも教えてもらおうかな」
「そんなん今でも教えますよ」
「違う違う、音駒も烏野もみーんないる前で、歩ちゃんの方からクロさん連絡先教えてください!って言うんだよ」
「!?公開処刑!」
「どうする?」
「…やります!だからツッキーのこと、よろしくお願いします」
私はそう言って、黒尾さんに一礼し仕事に戻った
「いやぁ…ほんと妬けるねぇ」
ー練習後
「橘さん、ちょっといいかな?」
「山口くん!今日も灼熱の裏山ダッシュお疲れ」
「いやほんとそれだよ」
「で、どうしたん?」
「今日他のチームがやってた攻撃でね、烏養コーチに教えてもらったんだけど、サーブ&ブロック。いや、別に目新しい攻撃でも何でもないんだけどね、なんかすごいカッコよかったんだ」
「サーブで攪乱して、ブロックで仕留める的な?」
「そうそう!それそれ!…俺ね、あれをツッキーと出来たらなって思ったんだ」
「山口くんめちゃめちゃサーブ練習してるもんな」
「最近さ…ツッキー、橘さんともあんまり話してないじゃん」
「そやな」