第8章 それぞれの春高まで
『えええ!乗り込んだ?!あのチビやるなぁ、で、お前はそれの付き添いだったってわけね。でもアレだろ?どうせ、付き添いとか言って、お前が一番気合入ってたんだろ?』
「入ってませんから」
『いやいや、気合入れるために便所で顔洗ってるマネージャーとか宮城でお前だけだから』
「またそうやってイランことを覚えてる…でもまぁ…あ、やっぱナシ」
『あ?何だよ?言えよ』
「白鳥沢のサポート選手にずっと姐さんって呼ばれてました」
『アッハッハ!ほら見ろ!完全に輪の中心になってんじゃねぇか』
「なってないですって、ほんま失礼しちゃいますよ!誰が姐さんやねんて」
『お前はパワー系マネージャーだからな〜』
「何ですかそれ!てかそれ他に何系があるんですか?!」
『いやなんか、いるだけでホワワンとした空気になる…そー、お前んとこのもう1人のちっちゃいマネの子とか』
「やっちゃんね」
『ポケモンで言ったらピッピみたいな』
「急にポケモン!」
『お前は格闘タイプじゃん』
「は?それ言い出したら二口さんなんて、あくタイプじゃないですか」
『てめぇ…』
「あ、でも違うか。だってあくタイプは格闘タイプが弱点ですもんね!私の攻撃が二口さんにこうかばつぐんなわけないし」
笑いながら言うと、しばらく間があって
『さぁ、案外そーなんじゃねぇの』
「え?」
『なんでもねぇ、つーかさ、電話した用件聞けよ』
「確かに、何やったんですか?」
『今度、試合だぞ』
「え?」
『お前らがウチきて練習試合だってよ』
「え?!そうなんですか?!楽しみ〜』
『いつだったかお前、言ってたよな。叩きのめしてもらえなくて残念でした的なこと』
「うわ…根に持ってるんですか?」
『持ってねーよ、ただ…お望み通り叩きのめしてやるよ』
「出た!ドS!」
昨日結局夜遅くまで二口さんと電話で話してたから、めっちゃ眠い
翔陽は先に朝練行くとかって、とんでもない時間に連絡来てたし…昨日まで合宿やったのに、なんぼ元気やねん
着替えるためにロッカールームに入る
「ふぁぁ、おはよーございます…て、あれ?潔子さんまだなん?」
「歩ちゃん、おはよー!久しぶり!清水先輩は今日委員会の仕事で少し遅くなるって」
やっちゃんが出迎えてくれる