第7章 選抜合宿
ツッキーは鷲匠先生の所まで走って行って、何かをボソボソと伝えるとコートに戻った
多分私の体調のこと報告してくれたんかな
「歩〜!!大丈夫か〜?!!」
大声を出しながら翔陽が走ってくる
「いや、なんか青い顔してるけど元気だと思って油断してたらさ…二階から見てたら急にぶっ倒れるし」
「ああ、ごめんな」
翔陽は取ってきてくれたパイプ椅子を床に広げて、私を座らせる
「女の子は冷やしちゃダメなんだぞ、母ちゃんが言ってた」
「ありがとう…翔陽にこんな気遣われる日が来るとは…」
「俺だって兄ちゃんだからな!」
「そやな、翔陽ちっちゃい妹さんおるんやもんな〜」
「ソイッ、お前もドリンク飲んどけ」
「ありがとう。でも温かい方がええし、あとで食堂にお茶貰いに行くわ」
「そうだな、お!2VS2はじまるっ」
翔陽がコートに目をやりながら言う
「条善寺が練習でいつもやってるんやっけ?今回穴原コーチ主導やもんな」
「そうそう、だから条善寺ってどいつもどのポジションも上手えんだよな」
「そっかーそれ確かに大事よな!だってこれから全国行ったら、サーブで影山くん狙ってファーストタッチさせられることもあるかもしれんし。そん時誰かがとりあえずでもいいからオーバーでセット出来たら攻撃に繋げられるもんな」
「そうなんだよ。でさー、2VS2の時って国見がいるチームが強ぇんだよ」
私はノートを取り出し、昨日までの2VS2のスコア表見る
「…確かに。組んでる相手との相性かなとか思ってたけど、ちゃうな…明らかに国見ちゃんのいるチームが強い、翔陽よう気付いたな?」
「なんか余裕があるって感じがすんだけど、テクニックなのかな?わかんねぇけど」
「普通に考えたら、国見ちゃんってガツガツ動き回る感じじゃないから、負担の大きい2VS2とか嫌いそうやねんけどなぁ」
「俺さ、もうちょい近くで見てくるから、お前1回水分補給して休憩してこいよ」
そう言って翔陽は走り去って行った
私もゆっくり立ち上がって、鷲匠先生の元に向かう
「先生、すみませんでした」
「いや、月島から聞いた。12月の体育館は冷えるだろ、午後からOBとの練習試合があるから、それまでゆっくり休んでくるといい」
「ありがとうございます」
そう言って体育館を後にして食堂へ向かった