第7章 選抜合宿
ー国見side
「え?!姐さん…白布さんにタックル?!やっば(笑)やりすぎ」
「ちゃうから!いや違わんけど、ただぶつかっただけやのに…白布さんが軽トラに轢かれたとか言うから、天童さんに軽トラ娘って変なあだ名つけられて」
「あはは!軽トラ娘とか姐さんよりヤベェじゃん」
「もう!みんなイジりすぎやし!」
橘さん…いや歩はそう言いながら食器を片付けに向かう
そして戻ってくると
「あーもう疲れたわ!私、翔陽が無事家ついたか連絡してもう寝るわ。みんなおやすみ〜」
そう言って去っていった
嵐のような人
さっきわざわざ俺のとこに来て耳元で
『青城の体育館裏で失恋して泣いてたとか言わんといてなっ』
って真剣に言うもんだから可愛くて…
てかもう影山(多分)のことはいいんだよね
俺も本気出すけどいいよね?
歩が去った後の食堂は、彼女の話題で持ちきりだった
「あー美人だよな〜橘さん」
「ほんとそれ!でも気さくだから案外連絡先とか聞いたら教えてくれるんじゃね?」
「おまえらさー、選抜メンバーにも選ばれてないのに歩が相手にするわけないだろ」
五色がそう反論する
「はー?姐さんはそんな心狭くないしー」
「白布さんにならともかく、何で五色にそんなこと言われないといけないんだよ」
白鳥沢の一年たちも言い返す
「だってそりゃ俺は…選抜メンバーの中で唯一名前呼び!つとむんだぞ?!完全に一歩抜きん出てるだろ」
「…アホらし」
そう言うと、月島が立ち上がって食堂から出て行く
それに続いてみんなもゾロゾロと食堂を後にした
みんな大体最初から飛ばし過ぎなんだよ
本気で追いかけ続ける恋なんて疲れるじゃん
及川さんだって歩を烏野まで迎えに行くみたいなことしたあげく、全然相手にされてないし…
まぁあの人にはリミットがあったから仕方ないかもだけど
効率よく燃費良く
時間をかけて
俺のモノにすればいい