第7章 選抜合宿
「悪い…ちょっとこれは間違いってゆーか」
「ですよね!あれですか?…コレのとこですか?」
彼女はニヤニヤしながら小指をピンと立てる
「は?」
「嫌やわ〜白布さん!隠さんでもええですよ!彼女んトコ行こう思ってたんですよね?」
「や、ちが…
「でもいきなり押し倒すんはどうかと思いますよ?!心の準備的なもんがあるでしょうから」
この子何か勘違いしてる?
俺が女子寮の誰かと彼女を間違ったと思ってるらしかった
コンコンコン
部屋がノックされる
「さっきの声あなた?!大丈夫なの?」
外から寮母さんの声がする
「白布さん!シーッ!」
彼女は俺をヘッドロックして手で口を塞ぐ
いや、俺今何も話してないし
「大丈夫でーす!でっかい虫がいてびっくりしただけですー!」
と彼女がドア越しに叫ぶと、それならよかったと寮母さんが去って行く
「…で、誰が虫だって?」
「あ、ごめんなさい。でもバレんかったでしょ」
「まぁね…バレたら停学だから」
「ヤバいじゃないですか!でもそんな危険を冒してまで夜這いとは…やりますねぇ」
ニヤニヤとしながら彼女が言う
だから…勘違いなんだけど
「そやっ、部屋私と一緒に出た方がいいでしょうからちょっと待ってて貰えます?」
確かに彼女のエスコートなしで外に出るのは危険だ
「いいけど」
「ほなシャワーだけしてきていいですか?すぐ上がってきますんで」
そう言って彼女は浴室の方に荷物を持って消えていった
しばらくして、首からかけたタオルで髪を拭きながら彼女が戻ってくる
「お待たせしましたっ!」
「…そんな急がなくていいのに」
「いえいえ、そう言えばこのあと食堂でご飯なんですけど、場所分かりますか?」
「うん、てか髪ぐらい乾かしてくれば?」
「いいですか?ありがとうございます」
そう言って彼女は髪の毛を乾かしに浴室に戻っていった
風呂上がりの女の子見る機会なんてほとんどないし
ちょっとドキドキした
シャワー浴びたってことはすっぴんなんだよな
全然変わんないのな
それになんかいい匂いするし
ダメだダメだ
あの子は牛島さんの彼女
変な気起こしちゃダメだ
そう自分に言い聞かせた