第7章 選抜合宿
午後、白鳥沢の体育館にて2日目の合宿が始まる
着替えて、アリーナに入ろうとしたところで青城の2人とバッタリ会った
「あ、国見くん、金田一くんお疲れ」
「橘さん、今日もいるの?ってか昨日何があったの?」
国見くんが言う
「あ、うん。翔陽が呼ばれてへんのに合宿押しかけてきて、ボール拾いならって鷲匠先生に言われて、ボール拾いで参加させてもらうことになってん。で、うちのコーチが翔陽が暴走せんように見張ってろって私が投入されたってわけ」
「見張りなのに、昨日めちゃくちゃ機敏に動いてなかった?」
「そうそう、もはやサポート選手統率してただろ?」
金田一くんが笑いながら言う
「統率してないし」
「そーいや国見、今回の合宿も張り切って橘さんに貰ったタオル持ってきたんだよな?」
「うるせぇ」
「え、そうなん?!あの縁起悪いタオル?!」
「縁起悪いってなに」
「いや、ゲン担ぎ的な感じで使ってるって言うてたのに…あの試合…烏野が勝ってしもたから」
「自分であげといて縁起悪いタオルとかウケる」
金田一くんが笑う
「負けたのはムカつくけど、橘さんのタオルのせいじゃないし」
国見くんがボソボソと話していると
「ジャマなんだけど」
話を遮るように後ろから声がする
別に通れる隙間作ってあるのに、ツッキーがわざわざ肩をぶつけてくる
「ちょ、もう何なん!この意地悪眼鏡が!」
アリーナに入っていく後ろ姿に毒づく
「へー…仲良いんだね」
国見くんが言う
「え、どこが?」
「おし、俺らも行くぞ、じゃあまたな」
金田一くんがそう言って、2人はアリーナの中に入る
「あ、うん…」
私は今日することのメモを出して、確認する
「ええっと…まずドリンク用意して、コーチが練習試合があるって言うてたからビブスの替えを用意しとかなあかんな」
せかせかと動き出す
私がタオル用意したり、ドリンク用意してる間、翔陽はずっとボール拾いし続けてる
ちらっとコートに目をやる
「そこ邪魔だろ!さっさと拾え!」
うわぁ…翔陽めっちゃ鷲匠先生に怒られてる
そいや、練習試合って誰とするんやろ?
このメンバーを半分で分けるんかな…
考え事をしながら歩いてると
「あっれぇぇぇ?軽トラ娘じゃん」