第7章 選抜合宿
ー歩side
ほんま今日のツッキー何なん
恥ずかしくて直視出来ひん
潔子さんと各選手のデータを確認していると、ガラッと勢いよく体育館の扉が開けられた
「集合ー!」
大地さんの声がして、入口を見ると息を切らした武田先生が入ってきた
「早速ですがビッグニュースです、影山くん、君に全日本ユース合宿の招集がかかりました」
え?
凄すぎて思考が止まる
全日本ユース?
日本代表ってことやんな?
『日本代表になって、その試合に招待してやる』
影山くんが言った言葉を思い出す
日本代表なんて有言実行できる人そうそうおらん
「もう凄いとしか言いようがない」
潔子さんがボソっと言う
「いやほんまに、凄い凄いとは思ってましたけど」
みんながザワザワとする中、影山くんはいきます!と大きな声で返事をした
「そしてもう一つ、こちらは宮城県内の有望な一年生を集めて擬似ユース合宿を行うと条善寺の穴原コーチから連絡がありました…うちからは月島くん」
名前を呼ばれたツッキーはあんまり乗り気じゃなさそうやったけど、みんなに押し切られる形で参加することになった
チラッと翔陽を見る
最初こそ俺は?俺は?と騒いでいたが、次第に何か思い詰めてるような表情になっていく
なんか…嫌な予感がする
ー合宿当日
昨晩、明日の練習は別々に行こうなんてわざわざ翔陽が言うてきたから、なんかおかしいと思ってコッソリ尾けてたんやけど
違う方向にチャリで走り出した翔陽を追いかけて
…白鳥沢学園に到着してしまった
「ちょ、電話電話…誰に?大地さん?でも今練習中かな…」
大地さんに電話をかけるけど、繋がらない
とりあえず翔陽追いかけて中に入るしかないか
私は意を決して、白鳥沢の体育館の扉を開ける
そこには伊達工の大型セッター黄金川くん、角川の2メートル、青城の金田一くんや国見くん、そんでツッキーが一列に並んで自己紹介してる様子
そんで端に…翔陽が…
「君、呼ばれてないよね?」
穴原コーチに言われた翔陽に向かって、状況が飲み込めないツッキーが慌てて駆け寄る
「バッカじゃないの!」
「だってタイホは困るだろ?」
逮捕って何や?もしかして全日本ユース合宿に殴り込みに行くつもりやったん?あいつ。