第6章 日常
ー歩side
今朝、山口くんに聞いた話
ツッキーが先輩とより戻したって
どっかでツッキーはずっと私のこと好きでいてくれるんちゃうかなって思い上がってて、恥ずかしくてその場から逃げた
信じて裏切られるんはもう沢山
あんなに好きやって一生一緒やって思ってた侑に裏切られて、心底信じるんが怖くなった
恋愛すんのが怖い
私なんかのことずっと好きでいてくれる人なんかいるん?
恥ずかしいのと気まずいのとで、1日ツッキーを避けてたけど、190cm超えに思わずテンションが上がってしまった
「信じなくてもいい」
「え?」
「でも僕は絶対に歩を裏切ったりしない」
琥珀色の瞳に射抜かれる
ドキドキと鼓動が高鳴る
東京から戻ったらキチンと気持ちを伝えようと思ってたのに、うまく言葉が出てこーへん
ツッキーのこと信じれへんかったから?
侑と同じやって思ってしまったから?
今の私にツッキーに好きやっていう資格あるんやろか…
「てゆーかさぁ、なに?歩は先輩にヤキモチ妬いてたわけ?」
「は?妬いてないし!」
「うそ、今朝寂しそうな顔してたじゃん」
「してません〜大体何なん?山口くんの話やとキッスしてたんやろ?付き合ってもないのに!」
「それは向こうが勝手に」
「ツッキーが隙だらけやったんちゃうの?」
「歩にだけは言われたくないから」
「なっ!」
まぁ確かに…
それは…そうかもしれん
思い当たる節が何回かあって、言い返せず口籠もる
「なに?僕以外にも誰かにキスされたの?」
「え、いや…それは…」
「誰?僕の知ってる人?」
そうです、あなたの知ってる人ばっかりです
「だ、誰だっていいやろ!」
「良くないし」
ガラガラガラッ
「ゴルァァァ!お前ら夫婦喧嘩もほどほどにしとけ!女バスのゴール借りるんだから、さっさとしろ!」
突然扉が開けられ、大地さんに怒られる
「すみません、すぐ行きます」
「もう!ツッキーのせいで怒られたやん」