第6章 日常
「何でちょっと嬉しそうなん?」
「研磨に楽しかったって初めて言わせるのは俺だからな」
「なんそれ!彼女の初めては俺がもらうみたいな」
「おまっ!朝から何言ってんだよ!」
「アハハ!翔陽めっちゃ真っ赤!」
2人で騒いでいると校舎の上の方から声がする
「日向〜!歩ちゃーん!」
「あっ!潔子さーん!おはようございまーす!」
ブンブンと両手を振り上げて応える
「今日春高のパンフ用の身長測定と最高到達点の測定するから〜!」
「分かりました〜!」
潔子さんは今朝も美しい
「日向〜!お前羨ましいな!」
近くにいた翔陽のクラスメイトが話しかけてくる
「え、なにが?」
「あんな美人の3年に朝から話しかけてもらえるわ、こんな可愛い子と朝から一緒に登校してくるわ…」
「は?清水先輩は確かに美人だけど、コイツなんて女じゃねーよ!朝から下ネタぶっ込んでくるし」
「ちょ、初対面の人の前で朝から下ネタとか言わんといて!私やって翔陽みたいな中学生、男やと思ってません〜」
「は?誰が中学生だよ」
「あんたしかおらんやろ、何やったら身体測定混ざったろか」
「はいはいそこまで」
後ろから肩を掴まれる
振り返ると…
ツッキーと山口くん
「ツッキー…おはよ」
「橘さん、日向、おはよ」
「山口くんおはよう」
「君たちさぁ、朝からほんとうるさいんだけど」
蔑んだ目で見下ろされる
「はい…ごめんなさい」
「歩、さっさと行くよ。じゃあね日向、進学クラスはこっちなんで」
ツッキーはわざと進学クラスを強調して、翔陽を挑発する
「月島コラァ!お前嫌味言わないと死ぬ病か!!」
「日向、勝ち目ないってやめときなよ!」
クラスメイトに羽交い締めにされる翔陽を置いて、4組の教室に向かう
「で、どうだったの?東京は」
「あ、うん。師匠元気やったで」
「師匠って誰よ」
「黒尾さん、ツッキーの師匠やろ?ネチネチブロックはご健在で、しまいにあの人バックアタックしてたで、ツッキーもやったら?」
「また軽々しくそんなこと言う」
「ほかの音駒や梟谷のみんなも元気だった?」
山口くんが訊く