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FLYHIGH(ハイキュー)

第6章 日常


「本当…アイツらが構う理由も分かるわ」

木葉さんが独り言のようにボソッと言った


私たちは遅めのランチを済ませて、かおりさんの発案により次のアトラクション、タートルトークに向かう

「タートルトークて何ですか?」

「ファインディングニモに出てくるカメのクラッシュと画面越しに話が出来るアトラクションらしいよ」

私が訊ねると赤葦さんがテキパキ答え、かおりさんが笑いながら

「赤葦ガイドブック読み込みすぎ!」

とツッコむ

「赤葦さんがガイドブック読み込んでなかったら、梟谷の三年すぐカオスになるじゃないですか」

「なんだとー!」

3年生たちが一斉に抗議し、笑いながらみんなでアトラクションに並んだ






ひとしきり遊んで、ベンチで休憩していると後ろから冷たい水が入ったペットボトルが差し出される

「あ、赤葦さん…ありがとうございます」

「木兎さんたちは?」

「あ、なんかトイストーリーマニア乗るって言うて走っていきました」

「歩ちゃんは行かなくて大丈夫だったの?」

「はい、多分もう今からアトラクション並んでたら帰るの遅くなりそうなんで」

「じゃあ3年生たちに思い出づくりさせてあげて、俺たちは帰ろうか。送ってくよ」

「いや、赤葦さんは木兎さんのお守りしないと!カオスなりますよ」

「木葉さんいるから大丈夫でしょ」

「まぁ…そうですね」

私たちはベンチから立ち上がり、エントランスに向かって歩き出す


「さっきの木兎さん、めっちゃおもろかったですね」

「タートルトークの時?」

「そうそう、クラッシュに一生イジられてたじゃないですか」

「梟BOYって呼ばれてたよね」

「クラッシュもおもろいですけど、木兎さんとのコラボはまじで神回でしたね」

キュッとペットボトルの蓋を開け、水を一口飲む


「そう言えば…初めて出会った時にも私に水くれましたね」

「覚えてた?」

「はい」

「じゃあその時俺が言ったことは?」

「え?」



ディズニーシーのエントランスを出てすぐ、地球儀のオブジェの前で急に腕を掴んで引き寄せられる

「もし今キスしたら、俺のことも意識する?」


あ、そういやそんなこと言われた気もするけど、冗談やと思ってたのに…



そして引き寄せられたまま口付けられ、掴まれた手からペットボトルが転げ落ちる

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