第6章 日常
エントランスの前に着くと、そこからもう夢の国
わー、すごい
スマホを取り出して写真を撮る
周りを見渡すと家族連れ、グループ、あとカップルも結構いる
クマのカチューシャをつけたカップルがインカメで写真撮影してる
うわ、ツッキー…こんなんめっちゃ嫌いそう
え?なんで今ツッキー…
一緒に来てみたいなんて
「歩!!待ったか!?」
思考を遮るように大声がする
「木兎さん!昨日はお疲れ様でした、おめでとうございます」
「この日のために頑張った甲斐があったな!アカーシ!」
「はい、張り切って買った年パス持ってきましたか?」
「おうよ!3日前から玄関に用意してたぜ」
そう言って木兎さんは年パスを見せてくれる
「私たちも年パスあるよ」
かおりさんと雪絵さんもパスケースを首からかけている
「俺も結構よく誘われるから」
木葉さんも手をあげる
「俺たちはこれね、はい」
赤葦さんが私の分のチケットを渡してくれる
「あ、お金払います」
「歩〜水臭いこと言うなよ!お前のチケットぐらい俺らに甘えろよ、東京まで来させたんだしな」
「来させた自覚あるんですね、まぁそう言うことだから」
赤葦さんが私の方を向いて、言う
「え、いいんですか?みなさんありがとうございます」
「私たちは出してないから男子たちに言ってあげて、歩ちゃんに感謝されるとスゴイ喜ぶから」
私は梟谷のみんなのお言葉に甘えることにした
「さぁ、行くぜ行くぜー!」
木兎さんが先頭を切って歩き出し、それにみんなが続く
私と赤葦さんも並んでついていく
「あの、赤葦さんは年パス持ってないんですか?みんな持ってみるみたいですけど」
「うん、そんなに来る機会ないし…あ、でも」
赤葦さんが足をとめる
「もし歩ちゃんがまた一緒に来てくれるなら、買うのもアリかな」
「うー…また来たいですけど、宮城在住が忌まわしい」
「はは、昔に来たことあったって言ってたっけ?」
「はい、子供の時に家族で1回だけ」
「そうなんだ、じゃあ行こうか」
そう言って、私の半歩前を歩く赤葦さん
私服初めて見た
高二のわりには落ち着いてるように見えるなぁ
普段こんな感じなんか
木「アカーシ!俺、絶叫乗りたい」
雪「私チュロス食べたい〜」