第6章 日常
電車を降りて向かったのは
「ガンダムカフェー!」
「歩ガンダム好きなの?」
「そうでもないけど、絶対宮城にないから映えるかなっと思って」
ガンダムのキャラがカップに印刷されたフォーチューンカフェラテを持って、インカメを起動して3人で写真を撮る
カシャッ
右に研磨さん、左に黒尾さん、真ん中に私
「あはは、これ大地さんに送っていいですか?」
「おう、もっとひっつくか?左右からほっぺにチューとかしなくていいのか?」
「そんなん送ったら、お父さんが心配するやないですか」
「確かに」
黒尾さんと話しながら、写真を加工して大地さんに送信する
「俺さ、あんまアクティブじゃないから、どこに何があるかとか全然知らないけど、歩がゆっくりコッチ来る機会があったら、ちゃんと調べるから」
「え!研磨がデートコース考えるってこと?」
黒尾さんが驚きながら言う
「歩と一緒ならどこでも面白いよね、今もまさか3人でガンダムカフェ行くとは思わなかったよ」
「確かにな、男2人なら絶対いかねーもんな」
ストローでコーヒーを飲みながら黒尾さんが言う
「これから男だけで行きにくい場所があったら、ついてくんで言ってください」
「それってデートするってことでいいの?」
え、デート?
3人で行くんかなって思ったんやけど…
研磨さんにデートって言われてドキッとする
「研磨ァ抜け駆けすんなよ、歩がコッチに遊びに来る時は、俺も絶対行くから」
「何でだよ、デートだって言ってんじゃん」
「ちょ、まぁまぁ落ち着いてください!その時は、音駒のみんなでどっか出かけましょうよ」
「おう、じゃあまぁお前も明日早いだろうし、俺らも試合で疲れてるから今日は解散な」
黒尾さんが言う
2人と別れて、エスカレーターを降りようとした時、グッと腕を掴まれる
振り返ると
「研磨さん…」
「歩は俺とデートすんの嫌なの?」
「ふぇ?」
「…さっき、みんなでって言ったから」
「嫌なわけでは…」
「そ、じゃあ約束。2人きりね」
グッと腕を引き掴まれ耳元で言われる
顔が真っ赤になるのが分かる
その様子を見て研磨さんは満足そうに笑い、掴んだ手を離す
「またね」