第2章 合宿
東京に到着
忘れ物がないか確認し、最後にバスを降りる
「あ、コーチ!ちょっといいですか?」
「おう、橘どうした?」
「さっきバスの中で音駒はマネージャーがいないって聞きました。うちは3人いるし私合宿中だけ、あっちのマネージャーしてもいいですか?もちろん向こうの監督がいいって言えばですが」
「おう、でもなんで?」
「マネージャーがやるような仕事を向こうの選手がやって、せっかくの練習時間が短くなるのが嫌なんです。みんなには思う存分練習に専念してほしいんです。」
「お前は…ほんとなんか、見た目月島かと思えば、性格日向や西谷、田中みたいで、でもみんなのこと考えてるのは澤村やスガみたいで、冷静で的確なのは影山みたいなやつだな」
「どんなやつですか、潔子さん要素なしですか」
「アハハ、みんながお前を可愛がる気持ちはよく分かるよ。じゃあまぁ、猫又監督には話してみるよ」
「ありがとうございます、それにもちろん…
向こうの動きやチームのこと偵察したい気持ちもありますよ」
烏養コーチはニヤリと笑って前を歩いて行った。
「どーーーーいうことだコラァ!何で烏野はマネが3人も?!」
モヒカンの田中さんが叫んでいる
「キレイ系と可愛い系とモデル系とどんだけ揃えてくるんだチクショー!烏野は美女しか入れねーのか!」
「見たか、これが烏野の本気です」
本物の田中さんはドヤ顔をしている
体育館につくと、既に各校到着していた
猫又監督が近づいてきて
「橘サンはどの子かな?」
「はい、私です」
「今日はマネージャーやってくれるってことでいいかな?スパイ活動大歓迎だよ、ハッハッハ」
「え?どういうことですか?」
大地さんが不思議そうに訊ねる
「おう、急なことだったんで言い忘れてたが、この合宿の間、橘には音駒のマネージャーを任せる。うちは3人もいるからな、ドリンクやタオルなんかの雑用もマネージャーがやる方が練習に専念出来るだろうって、橘自身が手あげてくれた」
コーチが代わりに説明してくれる
「てなわけで、ちょっと偵察してきます!」
私は猫又監督について音駒ベンチに向かう
「この合宿中、みなさんのマネージャーをやります。烏野高校1年、橘 歩です!よろしくお願いします!」