第6章 日常
机に向かって正座する田中、西谷、日向、影山
「よろしくおねあいしゃーす!」
「とりあえず、日本史がヤバそうやから、さきに日本史やってノート作って、最終日にもっかい見直して暗記すること」
橘さんは、スケジュールを書いた紙を2人に渡す
そこには何やらポップな挿絵も描かれている
「これ、自分は勉強会手伝えへんからってやっちゃんが作ってくれたし、家帰ったら机の前に貼るんやで」
本当うちのマネージャーはみんな頼もしいな
「歩!俺らの分はないのか?!」
西谷が言う
「はいはい、あるわけないだろ?2年の範囲なんて知るわけないんだし。お前らはまず現国からな、このプリントとりあえずやって、終わったら答え合わせな」
「ツッキー日本史得意やろ?問題ツッキーが出して2人が早押しで答えるスタイルにしよ」
「歩だって得意でショ」
「得意すぎて、テストに出ーへんいらん雑学とか話し出すから自粛する」
「なるほどね、今のこの人達にテスト範囲外のこと言ったら確実に頭ショートするからね」
「そうやねん」
「聞こえてるぞ〜お前らバカにしすぎだろ」
日向が立ち上がる
「バカなんだから仕方ないデショ」
何故か橘さんが月島のモノマネをする
「あははは!最高!似すぎだろ」
田中が指をさして転げ回る
一同大爆笑
「ウケて良かったわ」
「なんなのそれ?」
月島が不機嫌そうに眉を顰める
「こないだ白鳥沢戦の時に影山くんとツッキーがブロックでぶつかったやん?あの時絶対『ぶつかってこないでよ』って言うてるなってモノマネしたら、やっちゃんにめっちゃウケたから」
「僕たちが必死で戦ってる時に、君は呑気だね」
「何言うてんの!私もめっちゃ戦ってたって」
「何とよ」
「烏野応援団の重たい雰囲気と」
「いやーそれにしても、傑作!マジ似てるわ」
日向は腹を抱えて笑っている
「似てないデショ」
「ニテルデショ」
仁王立ちでドヤる橘さんの肩を月島が肘で突く
ダッハッハッハツ
田中と西谷も2人を指差して笑い転げる
橘さんのモノマネは似てるし面白いけど
最早勉強会の雰囲気ではない
「おーまえーらー」
低い声で言うと、全員の動きが止まり部室が静まり返る