第6章 日常
ー縁下Side
10月の春高宮城県代表決定戦で全国行きを決めたわけだが…
もうすぐ期末テスト
何かを成しても成さなくても、学校行事というのは平等に俺たちの身に降りかかる
「縁下〜!」
「力〜!」
「勉強教えてくれ〜!!」
遠くから聞き慣れた声がする
「まぁお前らのことはくれぐれも頼むってキャプテンからも言われてるから」
「神様〜!」
正直面倒だけど、今回は違う
多分1年も約2名ほど勉強会を必要とするやつがいる、そして面倒見のいい橘さんは、必ず勉強会に参加する
これからテストまで毎日一緒に勉強出来ると思うと、それだけで嬉しかった
部室に行くと案の定、日向と影山が期末テストの勉強を教えてもらおうと月島に頼み込んでいた
「頼むよ月島〜」
「さっきから黙ってるソッチのやつは?僕の大事な時間を使うんだから、それなりの誠意見せてくれないと」
「月…島さん、勉強教えてくださいゴルァァァ」
「やだけど」
「お前ボゲゴルァァァ」
「はいはいストップストップ!お前ら何も月島に教えて貰わなくても橘さんに頼んだら教えてくれるだろ」
「そうだ!その手があった!谷地さんには今回、寄付金集めのポスター作りに時間使って、自分の勉強終わってないから無理って言われたけど、歩には聞いてなかった!」
「お前が月島に頼むとか言うから、てっきりマネージャーの2人には断られたんだと思ったわボゲェ!最初から言えよ、したら月島なんかに…」
「ハァ?頼んどいて何その態度、大体教えないとか言ってないし」
「え、月島も教えてくれんのか?」
「歩がやるっていったらね、1人でバカ2人の世話は歩が可哀想だから」
「バカって誰のことだボゲェ」
月島は、俺の目から見ても分かるくらい橘さんに惚れてる
にしてもせっかく勉強会がチャンスだと思ったのに
月島も参加するのか
彼女は日向たちに頼まれると、快く勉強を教えてくれることになった
2年もいるから部室に机を置いて、勉強してから帰るということにした
他のメンバーが着替えて部室を出ると、橘さんが入ってきた