第1章 出会い
「なーんてね、早くツッこんでよ」
「もう!あんまり後輩をからかわないでください」
「アハハ」
よかった
いつものスガさん
坂下商店に着き、スガさんと別れる
「お疲れ様でした、また明日」
「おう、ほどほどにな」
ー帰宅後
冗談やと分かってても嫁に来る?なんて言われたん初めてやし、ちょっとドキッとした
私そう言えばこないだツッキーに婿に来る?とか言ってたよな
あーゆーことを軽々しく言うのはやめよう
あ、でもツッキーはそんなことで何も思わんよな
即答で断られたし
翔陽と影山くん補習大丈夫かな…
そう思いながら眠りについた
ー合宿前日の夜
「では、荷物は下に入れてバスに乗ってください」
武田先生が指揮を取る
「歩ちゃん、隣座ってもいい?」
「あ、スガさん、どうぞ。ちょうど聞きたいことがあったんです」
「なに?」
「音駒ってどんなチームですか?他の高校は今回初めてやけど、音駒だけ、前に試合やったんですよね?」
「うーん、音駒はねー守備が強力。セッターもクレバーだし」
「うちのセッターもクレバー…ん?クレバーやないから、今おらんのか」
「なんかねースロースターターなんだけど、すごい分析されてる感じがあって、こっちが新しいこと仕掛けても、すぐ対応されちゃう感じ」
「そっかぁ…」
私は聞いたことをノートに書く
「熱心だね」
「いや、一応マネージャーなんで」
「あ、そういえばマネージャーと言えば音駒にはマネージャーがいないよ」
「え?そうなんですか?」
「そんなことよりさ、せっかく隣になったんだから恋バナしようよ。歩ちゃんはどんなタイプの人が好き?」
「えー、私騒がしいんで寡黙な人の方がいいです」
「具体的には?うちのメンバーの中だったら?」
「ナイス質問!」
「俺も気になる!」
後ろの5人がけ席に座る大地さん、ノヤさん、田中さんが盛り上がる
「難しいですね…みなさん最高なんで」
「じゃあ…3年の中だったら?」
「うーん…お父さんかお母さんか先生か…」
「おい橘、もしかしてお父さんって俺のことか?」
大地さんが後ろからツッコむ
「あのー橘…もしかして先生って…
5人がけの窓際、私の後ろから小さな声で東峰さんが言う