第6章 日常
私より1年早く中学生になった2人はバレー部に入った
後を追って中学に入った私は何の迷いもなくバレー部のマネージャーになった
3年にはアラン君もおったし、たまに出会った時は話しかけてくれたりした
それを当たり前やと思ってた
けど思春期と言う一生のうちでもっともややこしい時期に、異性の先輩と仲良くするってのはそれだけで敵を作った…
「やめや、やめや!」
もう中学生やない
今はココで出来た友達もやっちゃんもいる
あん時みたいにはならん
ツッキーはさっき、赤井さんの話聞いてどう思ったんやろ
ガサツかぁ…
そやんなぁ、私女の子らしいとこ全然ないもんな
まぁそうやって振る舞ってるって部分もあるけど
男に媚びてるとか色目使ってるとか言われるのが嫌で、わざと男っぽくするようにしてたけど、ツッキーやってほんまは小さくて可愛らしくて女の子らしい子がいいって思うかもしれん
「すいませーん!お電話でお願いしてた烏野高校のバレー部です!そうなんですよ!全国大会ですよ!良かったら見に来てくださいね、いやいやお母さんまだまだ若いですやん、ポスター私が貼りましょうか?この辺でいいですか?」
商店街に手早くポスターを配…ったつもりが、おばちゃんと話し込んだり、高齢の店主に代わってポスターを貼ったりしてたら、割と時間をくってしまった
自転車に乗って市内のスポーツ店に向かって走り出す
「次で最後か…うわ、もうすぐ7時やん?!」
信号待ちでスマホを取り出し、母ちゃんに遅くなるって連絡する
最後のスポーツ用品店に入って、ポスター掲示のお願いをする
ここでは部費で頼まれていたお使いがあったので、店内に入り目的のものを探す
「お、あったあった」
背伸びしたらギリギリ届きそう
よっと背を伸ばすけど、手が触れるだけで取れへん
ヒョイ
後ろからヌッと手が出て目的のものが目の前に差し出される
「お前、パンツ見えんぞ」
耳元で言われ、スカートを押さえ振り返る
「どどどど、ドS先輩!」
「よっ、ドSガールお使いか?」
「その言い方やめてください」
「歩」
急に名前を呼ばれてドキっとする
「覚えてたんですね、二口さん」
「そっちこそ」
二口さんはニヤニヤしながら、こっちを見ている