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水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】

第13章 名残の月


そして、天空は地面を転がる瓶をチラと見る。液体は入ったままだった。
はっとするが、時すでに遅く、天元は天空の顎の先にクナイを当てていた。

「・・・飲んでねぇよ。信用しねぇのは忍びの基本だ。鬼ごっこは終わりだ。お前の負けだぜ、空。・・・・解毒剤は?」



「・・・・さぁ?」
それを聞いて天元の形の良い眉の端がピクリと動く。

天空の顎にはクナイの刃の先端が刺さり、クナイを伝って血がポタポタと滴る。

睨み合った2人の間に暫しの沈黙が流れる。


「げほっ・・げほっ・・」

急に横になっていたあやが咳き込み、上体を起こす。ぼんやりと辺りを見ているが、目の焦点が合っていない。体を支える腕に力が入らず、またそこに伏せてしまった。

「あや!?大丈夫か?」

天元はあやを目の端でチラと捉えると、また天空を見る。

天空は拗ねたような顔をしたかと思うと、顎のクナイを手で払う。茶色い瓶を袖から出してあやの方へ歩み寄る。天元をチラと見ると、大きくため息をつきながら言う。

「・・・解毒剤はもうすでに一本飲ませてある。それで大体は大丈夫だが、強い薬だからな。念の為、もう一本飲ませてやる。」

茶色い瓶の中身を自分の口に開け、あやの口に流し込んだ。そして天元に向き直る。

「安心しろ。本物だ。あやが起き上がるまでにお前を殺そうと思っていた。手の内も知りたかったからなるべく煽ったが、まだお前、出してない技があるだろう?完敗だ。・・・あやはお前に殺されたということにしてやる。」

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