水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第11章 ※天元か天空か
「・・・。」
「何で里ではなくここに来たのか教えてやろう。・・俺は親父にお前を会わせたくない。耄碌爺は失敗したことを怒っている。が・・・どう考えても無理だろう?元兄はあんなに大きな男だぞ。俺でも骨を折るのに。でも、兄もお前を殺さなかった。お前は上手く奴の心に入った。俺はそれで上出来だと思っている。」
「・・・。」
天空は少し顔の角度を変えながらあやの目の動きや呼吸の仕方をまじまじと見ながら続ける。
「あとは、・・・そうだな。俺がどうしてお前を殺さないか知りたいだろう?お前を殺すと天元が来るだろう?怒った状態のあいつは何をしてくるか分からんから怖い。通常の状態か心を許した状態でなければあれを仕留めるのは困難だ。」
「天元は先日、俺と戦う時にお前が持っている様な刀を抜かなかった。持って来てもいなかった。まだ力を隠している。」
(・・・怖い・・・怖い。やはり天空様は冷静沈着で読みが鋭い。・・・・・・・!!・・・まずい!やってしまった!!)
はっとして咄嗟にあやは袖に隠していた小さな刃物を自分の喉に突き立てた。