水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第11章 ※天元か天空か
「・・・すみません。」
「顔を見せろ。困ったな。」
ふうと一つ短く息を吐くとあやの顔を覗き込んで顎に手を添え、ちゅと唇に口付けをする。
「鬼狩りが楽しかったか?」
「・・・人の為になっていることが嬉しかったです。」
天空は「ふーん」と言いながら、あやの唇だけでなく、頬や耳の裏にも口づけをしていく。そっとあやの隊服に手を伸ばし、プチ・・プチ・・と釦を数個外した。襟元から手を入れてサラシの上から乳房を掌で包み、優しく揉む。
「あや、やっと女の体になって来たな。・・・・にしても、色気のない服だなぁ」
天空は隊服の端をつまんで引っ張りながら少し苦い顔をした。手はあやの腰や尻、太腿に伸ばし、服の上からあちこちを触る。そしてくっくっと喉の奥で笑った。
「お前、随分筋肉が付いたな。女はもっと柔い方が好きだが・・・まぁこれはこれで良いかもしれんな。」
あやは、これから自分が何をされるのか予想はついていた。
が、天空は私をどうしたいんだろうと考えていた。なぜ里でなくここに連れて来たんだろう。どうしてすぐに殺さないんだろう。最後にただ抱きたいだけ?
でも、それなら話を聞く必要はあるのだろうか。なぜ、私の話を我儘として嗜めるような反応をする?主従では無く、兄と妹の様な。私のする事にいちいち目くじらを立てずに包み込むような。
このような反応をされると正直困る。天空に普通の心があることなど知りたくない。怪我をしたか心配して様子を見に来てくれたなど・・・。ましてやあやが愛おしいという様な顔で見られては、どうして良いか分からない。と。
あやはなるべく平静を装っていたが、困惑した気持ちは天空にすぐに見透かされた。天空はあちこちに口づけをしていた顔を上げ、あやの顔を覗き込む。
「あや、お前が何を考えているか当ててやろうか?・・・・お前はいつも分かりやすいなぁ」