水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第1章 ※忍びの里
その反面、弟の天空は忍びの腕はおそらく当代随一で、天元と年齢が違うのにほぼ互角で戦うが、性格は冷酷無比で任務遂行の為にどれだけ犠牲を出そうとも、顔色一つ変えない。老若男女問わず、任務であれば躊躇なく手を下す。
かといって、その冷酷で判断が早いことは、悪いことばかりではなく、最小の犠牲に留めておく為には重要でもあった。
天空は当主の要素を一番色濃く継いでいた。
先日、天元が15歳になった。
天元の妻として選ばれるように、あやはどの訓練も必死で努力したので、忍術も諜報も毒の扱いや治療の腕までも全て一定以上の水準に仕上がっていた。もともとの身体能力も高かった為、まだ11歳だが優れたくノ一になれると認められており、妻候補として挙がっているという話も聞いていた。が、何故か候補にも挙がっていなかった須磨が妻として選ばれた。
あやは二年経つと天空の妻となるらしい。
天元でも天空でもほかの子息でも、妻となればたくさんの子を成すことと、任務遂行の為の駒として役に立つことが重要なので、仕える夫が変わったからといっても、することに大差は無いのだが、優しい笑顔が傍で見られない事に少し気落ちした。