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水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】

第3章 最終選別


杏寿郎殿が任務の無い日は、毎日早く起きて杏寿郎殿と稽古をし、千寿郎殿と食事を作って三人で食べ、片づけをして少し休むと午前の稽古をする。そしてまた食事を作って食べ、午後の稽古、夕食を食べて、風呂に入り、就寝前には座禅を組み精神統一の稽古を行う、そして就寝。
途中でたたき起こされることも無く、朝まで休める。
忍びの時には付きまとっていた死の恐怖が無く、日々心も体も健康になっていき、心穏やかに毎日を過ごすことができていた。

杏寿郎殿が任務に行っている時は自分で稽古をするが、空いた時間があると千寿郎殿に読んでいる書物の話を聞かせてもらったり、囲碁や将棋などを教えてもらったりすることもあった。

自分は小さい時から宇髄家の為のただの駒で、役に立たないなら死ねと教えられて大きくなったので、里にいた時には当たり前だった自分の価値の低さに少しずつ疑問を持ち始めていた。
そして煉獄家の方に対して騙していることへの罪悪感も出て来た。

もやもやとした気持ちを持ちながらも、充実した日々を送った。半年も経つと、杏寿郎の稽古により、剣術の腕がかなり向上していた。

最初に立てた目標の「呼吸を身に付ける」ことや、「炎の型を覚えること」は最後の奥義以外はできており、もうほぼ達成で、全集中の常中ももうすぐできそうだった。

私は鬼殺隊の訓練だけをしていたのではなく、勿論忍びとしての仕事も行っていた。少しずつ杏寿郎殿から鬼殺隊の構成について聞き、柱は9人であること、少し前に柱になったのが、天元様であることが分かった。柱はかなり強く、危険な任務にしか赴かないということだった。天元様に会うのはしばらくかかりそうだなと思いながら聞いた。
報告に使うのは専ら鳩と梟だ。足に手紙をつけて送る。必ず二通同じものを送り、捕らえられた時に情報が漏れない様に内容も暗号化されている。
しかし、困ったことに、鬼殺隊も鴉を飼うので、雉笛を吹くと杏寿郎殿の鴉まで来てしまう為、任務でいない時しか送れなかった。

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