水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第3章 最終選別
選別試験が2か月後に迫る頃に、炎柱である槇寿郎様の担当地域に杏寿郎殿が連れて行ってくれた。選別試験までに5体以上の鬼の首が切れれば試験を受ける許可をくださるらしい。
初めて鬼を見付けた時は、気配の探り方や、追い詰め方、技の間合いなどを教えてもらいながら戦った。
改めて、鬼は元々は人だが、人の化け物ではないことを思い知った。今まで忍びの術として習った急所などが通用せず、そもそも人の形をしていない異形であったり、人の形をしていても血鬼術という妙な技を使ってきたりと、戦闘の感覚を研ぎ澄まさないと互角に戦うことは難しかった。杏寿郎殿は鬼の強さを正確に判断し、私がが命を落とすことが無い相手を選んでくれていた。
最初は首を斬る為に教えてもらうことも多かったが、少しずつ自分の判断で戦えるようになり、すぐに一人でも斬れる鬼か、そうでないかの区別がつくようになってきた。
杏寿郎殿が言うには、選別試験では、鬼を斬る事が目的ではなく、7日7晩生き残る事が目的なので、とりあえずは強い鬼の前では逃げてよいとのことだった。今はそのための訓練だと思ってくれと。
首を切った鬼は5を越えてから数えていないが、杏寿郎殿から最終選別を受ける許可が下りた。
最終選別では、杏寿郎殿の目が無いので、早々に木の上に上がって様子を見ながら移動し、必要最小限の場合と、助けを請われた時だけ鬼を倒しながら期日まで過ごした。基本的に勝てそうな鬼とだけ戦い、事前に教えてもらっていた強い鬼には遭遇しない道を選んでいたので、難なく突破することができた。
これでやっと私に課された忍びの任務に移ることができる。