水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第1章 ※忍びの里
その夜、あやが任務の準備をしていると天空が部屋に来た。天空が部屋に訪れるのは初めてだった。
昼間と同じように不機嫌そうな顔をして「邪魔するぞ」と入って来る。
入って来るなりがばっとあやに抱き付き、そのまま畳へ押し倒す。
すぐに体を離すと、一言も喋らず、どんどん着物を脱がしてあやを裸にする。あやは抵抗せず、無言でされるがままにまっている。時折天空の様子を目の端で確認するが表情は無く、書物でも見ている時の様な顔だった。
天空はまだそれほど膨らんでいない乳房や、脂肪のついていない尻を苦い顔で揉む。そして、毛もほとんど生えていない下腹部を見て、指先の背ですりと撫でると、大きく溜息をついてやっと口を開く。天空の指はあやの頬を撫でていた。
「あや、どうしてお前の体はまだこんなにも子供なんだ。これでは抱くと壊れてしまう。」
いつもの何も抑揚のない淡々とした喋り方ではなく、幼子に言うような、少し優しい口調だった。「あぁ、しばらく会えないから抱きに来たのか」と分かったが、まだ相応しい体でなかったようだ。前に謝るなと言われたので返答に困り、小さく「はい」と答える。
「お前と子作りができたなら、目の届かない所へやらずに済むのに。」
それを聞いて、また小さく「はい」と答える。
天空も小さく「すまん。服を着ろ。」と言うと部屋の隅に座って、起き上がり衣服を整え始めたあやを眺めている。
「・・・あや、失敗するなよ。ほら、これをやる。」
不機嫌そうな顔でそう言うと懐から小さな袋を出し、投げてよこす。
「・・・ありがとうございます。」
あやは袋を取ると、お礼を言って天空を見る。袋は手の込んだ美しい刺繍がしてあり、高価なものであることが分かる。
「黒水晶だ。・・・魔除けになるらしい。持って行け。」
あやは静かにそれを胸元に仕舞う。