水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第16章 ※新月
「あや、ここは恥ずかしい。行くぞ。」
あやは、また手を引かれる。
「あや、俺の家に来い。ゆっくり話したい。」
「なんだか家は本能が駄目だと言っています。」
「大丈夫だ。何もしない。ほら行くぞ。」
「・・・では天空様を信用します。」
「・・・あや。だから、天空様はやめろ。・・空と呼べ。」
あやは『空』と聞いてパッと天空の顔を見る。天空は目が合うと少し赤くなり、顔を背けた。
「・・・空。」
その背けた顔を見ながら、あやが小さな声で呼んでみるが返事をしない。
「・・空。」
もう一度呼んでみる。
「・・・あや・・・ただ意味もなく呼ぶな。」
天空がチラとあやを見ると、あやの目からは涙が溢れていた。
「何だ?泣くな。」
「お会いできて嬉しいです。」
「・・お前・・俺と天元を勘違いしていないか?」
「天元?」
「いや、覚えていないならいい。」