水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第16章 ※新月
「宇髄!シーズンベストだ!」
記録を取っている人が嬉しそうに今跳んだ黒いウエアの人に言う。
・・宇髄・・・?
跳び終えたその人はすぐにあやの方を向いて歩いて来る。確かに整った綺麗な顔をしているが、少し近寄りがたい。
10メートル・・・・9メートル・・・8メートル・・
どんどんあやの方へ近づく。
7メートル・・・6メートル・・・・・あ!
「天空様!」
とっさに口から出てしまった。なぜそう言ってしまったか分からず、赤面する。近寄って来ていた黒いウエアの人も一瞬ギョッとした顔をして足を止め、少し赤くなりながら慌てて近付いて来る。
「あや・・・知り合い?」
となりの友達に聞かれるがあやは首を傾げる。
黒いウエアの人はあやの前に来ると小さな声で言う。
「お前、天空様は辞めろ。恥ずかしい。」
「・・・すいません。」
「・・・いや、いい。あや。覚えているのか?」
「・・・?」
「・・・覚えてないのか?」
「・・・天空・・さん?」
「なんだ。まだはっきりしてないのか。お前、あやだろ?」