第9章 探偵達の夜想曲9
貴方side
リビングに入ってみると、そこにあった机の上は食事をしたままの状態で散らかってる
小五郎「これはまた随分と…宴会か何かで?」
樫塚「はい。大学時代の友人が3人集まって。すいません、散らかっていて…」
貴「いえ、大丈夫です。片付け手伝いますよ?」
樫塚「え、じゃあ…ゴミ袋に入れてもらえますか?」
貴「はい」
蘭「私も手伝うよ」
片付けてると、小五郎さんがリモコンを取りテレビを付ける
ニュース番組になっていて、内容は…先程の毛利探偵事務所での出来事
蘭「うそ、もうニュースになってる!」
貴「まぁ、現場が現場だし」
蘭「あ!お母さんが心配してるよ!携帯の電源切ってたから…」
さっそく電源を入れたらしく、慌ただしく操作する蘭を眺めてると、なぜか私のスカートのポケットに携帯の振動が…電話?
ピッ
貴「もしもし?」
世良『なんで何回も電話したのに出ないんだよ!ニュースに君も移ってて心配してたんだよ!!』
貴「真純?!」
確かに、今確認すると何回か真純から来てる……気付かなかった
貴「ごめん!事情聴取に立ち会ってて気付かなかったよ…」
世良『でも……よか……っ…』
貴「…?なんて?電波が悪すぎてうまく聞き取れないんだけど」
安室「!」
もう一度聞こうと口を開きかけた時、横から伸びてきた手が携帯の通話を切ってしまう
貴「え…」
安室「しーっ」
声をあげる私に静かにするように、手で合図する安室さん
安室「圭さん、もしかしたらこの部屋盗聴されているかもしれません」
樫塚「え?!」
蘭「でも、どうしてそんなこと分かるんですか?」
小五郎「今の怜花ちゃんの携帯だな。盗聴器を仕掛けられていると、電話が繋がりにくくなることがあるんだ」
安室「さすが、毛利先生」
安室さんに、電話は今はしないでと言われポケットにしまう
安室「では圭さん。今から全部屋回って盗聴器の場所を突き止めますけど構いませんよね?」
樫塚「あ、5分だけ待ってください。散らかしっぱなしで…下着とか片付けますね」
樫塚さんがそう言って私たちに断りを入れると、彼女は足早にリビングを出て行く
そのすきに安室さんはどこからか探知機を出して準備を始める