第85章 緋色の序章4
貴方side
安室「アメリカ連邦捜査局ってやつですね。よく映画やテレビドラマでお見かけしますよ。
手柄欲しさに、事件現場に出張って来てドヤ顔で操作を引っ掻きまわし地元警察に煙たがられて視聴者をイラつかせる捜査官…」
キャメル「なにぃ…!」
安室「あぁ、べつにあなた方の事を言ってるんじゃないですよ? たまたま僕が見たのがそういうストーリーだっただけですから…」
キャメル(…こいつ等が、こいつ等が赤井さんをっ…)
零さんはにこやかに毒を吐きながら話す為、挑発に乗り苛立ちを露わにするキャメルさんが居た
★★
目暮「ええ?!じゃあ何かね、渋谷夏子さんの一件を通報して来たのは君だったのか?!」
安室「ええ。彼女にはストーカーの調査とともに審判敬語も頼まれていましたので…いつものように近くの公園を通って帰宅するのを見届けようと思っていたんですが、まさか公園の階段を転がり落ちてくるとは…」
萩原「たしか通報では、誰かが突き落としたって言ってたよね」
目暮「み、見たのかね?犯人を!」
安室「ええ。見ましたよ。階段に佇んで渋谷さんを見下ろしている、犯人のシルエットはね…残念ながら見たのは車の中でしたし、すぐに走り去ってしまったので、顔まではちょっと…」
貴「…シルエットか…」
安室「そのあと、階段の上の方から車の発信音が聞こえたので、おそらく気絶した彼女を車に乗せ、公園内の階段のそばにある駐車スペースまで運び、人目がないのを確認して階段から突き落としたってところでしょうか…多分、階段下に止めていた僕の車は、木に隠れて犯人からは見えなかったんでしょう…」
目暮「しかし、通報したあと我々が到着するまでなんで現場で待っていなかったんだね?そうしていれば、捜査はもっとスムーズに…」
安室「すみません。車に別のクライアントを乗せていましてね…その方が関わりたくないというもので…」
肩をすくめ申し訳なさげに言った安室さんに、被害者の友人のジョディさんが突っかかる
ジョディ「じゃあ貴方は、重体の夏子を路上に置き去りにしたわけ?!」
安室「もちろん、救急車が到着したのを確認してから立ち去りましたけど、それが何か?」