第79章 ギスギスしたお茶会10
貴方side
高木「化学の実験みたいだ…」
安室「レモンの酸性に反応して、変色したんですよ。これと同じ反応をするハーブティーは他にもあって…」
貴「ブルーマロウってやつです。レモンを入れると水色からピンク色に変わるとか」
安室「そう。当然酸性で赤くなるなら、高坂さんがカップを磨くのに使っていたというアルカリ性である重曹を加える」
私は、零さんの推理に合わせて近くの棚から重曹を取り出し、少量入れると…赤色だったお茶はまた青色に戻る
間近で見ていた刑事2人と小五郎さんは感嘆の声をあげた
安室「つまり、高坂さんが行なった犯行の流れは、こうです…まず、須藤さんたちが見舞いに来ると知ったあなたは、須藤さんだけ少し早めに呼び、お茶会をやるからとお湯をもらいに行かせ、その間に入院時に持ち込んで置いた毒を自分のカップの反対側の飲み方に塗り毒の容器は病室の外のどこかに捨てたんです。
そして見舞い人3人が揃い、『どうせお茶会をやるなら飲み比べをやろう』と持ちかけ、須藤さんがハイビスカスティーを選ぶのを待った」
貴「…ハイビスカスティーの色は少し紫がかった赤い色で、レモンを入れて赤色に変色したバタフライティーの色とよく似ているから。思惑通りハイビスカスティーを選んだ須藤さんのカップにあらかじめ中身をバタフライティーに入れ替えて置いたティーバッグを入れ、その上にレモンを乗せてお湯を注げば、ハイビスカスティーのような赤いバタフライティーを須藤さんに出せるというトリックです」
目暮「なるほど…」
小五郎「じゃあ、それをどうやってすり替えたんだ?」
安室「携帯に入れた写真に須藤さんたちが夢中になっている時ですよ。まず毒付きの自分のカップに入った青いバタフライティーにレモンを浮かべて赤くし、須藤さんのカップを押し出すように起き、自分のカップを取ると見せかけて須藤さんのカップを取り、レモンを取り除いて重曹を入れて青色に戻した後、毒付きのカップを同じように押し出すようにおけば毒付きのカップは須藤さんからみて左側に取っ手があり、携帯の写真に気を取られている須藤さんに毒付きのカップを左手で取らせることができるという算段です」
別府「あ、あんたら…見ていたようなこと言ってるけど、一体どこにそんな証拠が…」