第71章 ギスギスしたお茶会2
貴方side
安室さんは次に廊下をすれ違おうとする女性2人が目に入ったので、その人たちに声をかける
安室「あの、すいません。楠田陸道って入院患者、知りませんか?」
女性1「楠田陸道さん?さぁ…どんな方?年は?」
女性2「その人の写真とかあるかしら?」
安室「あ、いえ。もういいです」
すぐ諦めた感じ、どうやら試しに聞いたみたいだ安室さん
安室さんはチラリと小五郎さんを見た
安室「毛利先生ならどうです?突然名前を出されて知らないかと聞かれたら」
小五郎「そりゃあまぁ…今のおばさんたちみたいに…」
安室「そう。大抵の人は自分の記憶に絶対的な自信は無いんです。だから普通はNOと言う前に、その尋人の名前以外の情報を知りたがる。だから君はすごいよコナン君!名前以外で知らない人だと確信できるんだから!」
コナン「…っ…」
どうやら前々からコナンの推理力に疑問を持ってる零さんは、わざとカマをかけたみたいだ
コナンの表情は、戸惑いと警戒心がありまくりだ
小五郎「ガキの言うことを間に受けるなよ…。会ったことがあっても名前を知らない奴はざらにいるし、あだ名でしか知らない奴も…」
子供「3……2……1……ゼロー!!」
安室「!!」
小五郎さんの声に被さって聞こえたのは、エレベーター前に立つ子供のカウントダウン
唯一ヒロさんが呼ぶ「ゼロ」に反応した安室さんは、そちらを振り返って黙ってしまう。
その様子を見上げていたコナンは、顔を険しくさせているのを見て呼びかける
貴「…っ安室さん!」
安室「!」
貴「大丈夫ですか?」
安室「…!ええ、大丈夫です。僕のあだ名もゼロだったので、呼ばれたのかと…」
小五郎「なんでゼロ…名前は確か"透"だったよな?」
安室「透けているってことは、何もないってこと…だからゼロ。子供がつけるあだ名の法則なんてそんなもんですよ」
コナン「…」
訝しげに聞いてきた小五郎さんに、安室さんはつらつらと由来を言っている。そんな安室さんをじっと見ている新一