第7章 探偵達の夜想曲7
貴方side
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目暮「しかしねぇ、樫塚さん。本当にあの男に見覚えはないのかね?」
樫塚「はい、全く…」
目暮「あの男の目的が、あなたのお兄さんの遺品である鍵だったのなら、お兄さんの知り合いの可能性が高いんだが」
樫塚「兄の友人には、あまり会ったことがないので…」
困り果て沈黙が流れるが、安室さんが身を乗り出し彼女に質問する
安室「ちなみに、お兄さんはなんで亡くなったんですか?」
樫塚「…」
安室「…お兄さんの死因は?!」
樫塚「!」
二回目の声でやっと反応した彼女
安室「亡くなった、お兄さんの死因は?」
樫塚「はい…4日前に事故で…」
そう答えつつ、携帯にあるお兄さんと映った待ち受けの写真を見せてくれる
松田「怜花。あの男の持ってたものだ」
貴「え、こんなに…」
一応陣平さんに頼み、死んだ男の遺品を持ってきてテーブルにその品々を置く
ライター、タバコ、財布、スタンガン、そして携帯とロッカーの鍵
マジマジとその遺品を眺めていると、陣平さんが思い出したように聞いた
松田「…そーいえば、樫塚さん。あんたの近くに落ちてた2枚のタオル。その一つが先端だけ濡れていたんだが」
樫塚「さあ…怖くてうつむいていたので」
松田「じゃあそのタオルの下にあったアンタのブーツの靴紐の先に結び目があったんだが…」
陣平さんが質問を重ねると、彼女は子供の頃の癖だと言った。
小五郎「松田、目暮警部。もう今日はこのくらいでいいんじゃないスか?お兄さんを亡くされて間もないし、見知らぬ男に目の前で自殺されたんスから…」
目暮「そうだな…」
後日、彼女は改めて警察に事情聴取されることになる
安室「あの、家に帰るなら僕がお送りしましょうか。駐車場近いですし、もしかしたらあの男の仲間があなたの家の近くで待ち伏せてるかもしれませんし」
樫塚「わさわざすいません」
安室「いえ、礼には及びませんよ」ニコ
松田(うわ……何だ、あの笑顔…こわっ)
スマイル全開の安室さん、そんな安室さん見て辛気臭そうに見てる陣平さん
目暮「…ところで、なぜ彼がここにいるんだね?」
小五郎「いやぁ、実は安室くん、私の一番弟子になったもんで…」