第67章 ジョディの追憶とお花見の罠10
貴方side
松田「犯人はそいつを使い、凶器を束ねたんだよ」
高木「た、束ねたって…」
ジョディ「凶器は一本の棒でしょ?束ねるもなにも…」
萩原「ある物を大量に1つにまとめたんだ、それがたくさんあっても怪しまれない場所に隠してね」
松田「こいつ等に声をかけ、うまい具合にカモフラージュして」
光彦「僕たちですか?」
子供達が不思議そうな顔をしながら推測を上げる
1人目は、結び場で出会った坂巻さん。けれど、おみくじをどう束ねようと人を撲殺する凶器にはならない
2人目は、手水舎で出会った弁崎さん。そこにあるヒシャクの中に、鉄製が混ざっていたら… けど警察がすでに探し、もちろんなそんな物はない
そして最後。鈴を鳴らす時に出会った段野さん。鈴は2つしかなかった。けど…
貴「皆、鈴を鳴らす前に何かしなかった?」
歩美「…!お賽銭!」
元太「五円玉入れたぞ!」
光彦「賽銭箱の中に!」
貴「そう。お賽銭は、『ご縁がありますように』ていう意味…ほとんどが穴の空いた五円玉」
哀「なるほどね…その穴に針金や紐を通してたくさん束ねれば…細長い棒になる…」
高木「し、しかしそれを30cmぐらいの棒にするには五円玉が200枚くらいいるはず…」
目暮「それにそんなに大量の五円玉を投げ入れたら目立って怪しまれるだろ…」
萩原「だから声をかけたんですよ。大きな音で鳴らさないと、神様に届かないって…」
松田「そうだろ?その大きな鈴の音で大量の五円玉が賽銭箱に入る音をかき消した、段野頼子さん」
段野「!」
松田「五円玉を束ねた紐の根元を解き、先をつまんで賽銭箱に垂らしゃー大量の五円玉は一瞬で投入できる」
萩原「しかも殺人事件が起きたのはあんたが鈴を鳴らす前だよね。あの時すでに財布をスられてたのに…それに気づかず賽銭を入れて鈴を鳴らしたって偽ってたし」
目暮「たしかに…賽銭を財布から出す際にスられていることに気づくはずですな…」
段野「知らないの?賽銭箱の前で財布を開けちゃダメっていう戒め。財布の中を神様に見られると『そんなに持ってるのにそれっぽっちしか入れないのか』と怒りを買うのよ?
だから私、お参りするたときは五円玉を裸でポケットに入れてるから、財布がなくなってることに気づかなかったってわけ!」
貴「…」