第63章 ジョディの追憶とお花見の罠6
貴方side
__
被害者であるおばさん"矢谷郁代さん"の持ち物には、たくさんの黒い五円玉が小銭入れに入れられている
つまり、彼女が黒兵衛自身
輪ゴムで止めた札束の中には、携帯を使って5mの誤差で位置がわかるらしいGPS発信機が入っている
よって容疑者は、スリの被害者かもしれないと結論付けるコナン
目暮「…しかし本当かね。この撲殺された女性が捜査3課が長年追っていたスリの黒兵衛だというのは…」
コナン「間違いないと思うよ」
遺体近くに居た新一は、黒い五円玉の説明をする
高木「たしかに…黒兵衛はスッた相手の懐に黒い五円玉を3枚入れていたようだけど…」
目暮「それで、この黒兵衛が撲殺されたところを見たというのは本当ですか。阿笠博士」
阿笠「え、ええ…個室が1個のトイレで用を済ませて出た時に見てしまったんじゃが…ここは木陰て暗くて、最初は杭でも打ち付けとるんじゃないかと思ったよ」
目暮「では、犯人の顔は?」
阿笠「ほとんどシルエットじゃったからのう…帽子をかぶっていたことと、長さ30cmくらいの細い棒を持っていたのは分かったが…」
目暮「なるほど、それが凶器だということか…」
松田「犯人の特徴とか他には?」
阿笠「そうじゃのぅ……おお!そうじゃ!そういえば犯人が立ち去る時に少々足をひきづっておったわい!大丈夫ですかと声をかけたくらいじゃから…」
萩原「…足をひきづっていた?」
高木「それで、犯人は?」
阿笠「わしを無視して行ってしまい、その人が打ち付けていたのがあの女性だとわかった時にはもう人混みの中に…」
高木「なるほど」
一通り話を聞いた高木刑事は、後ろにいる目暮警部達と小声で話す
高木「警部、一刻も早く立ち去りたい状況で足をひきづっていたのなら…」
目暮「うーん…容疑者から外れるための演技ではなさそうだが…それだけで神社に来た大勢の花見客の中から殺人犯を割り出すのは…」
コナン「もっと絞り込めると思うよ。変な物が入っていたし」
目暮「え?」
貴「あのおばさん、お札の束に位置が分かるGPS発信機の携帯を持っていたので」
目暮「なんでそんな物が…」
貴「スリの黒兵衛が一度も捕まってないなら、スられて黒い五円玉を懐に入れられるまで黒兵衛を特定できないからだと…」