第54章 怪盗キッドと赤面の人魚10
貴方side
コナン「二つ折りの携帯は磁石で開閉してるのもあるから、あの時蘭姉ちゃんのそばに強い磁石を持ってる人がいたんだと思うよ?」
世良「でもあの時蘭ちゃんのそばにいたのは…」
貴「私と」
コナン「僕と、園子姉ちゃんと…おめぇだ、怪盗キッド!」
呆然となる真純……基、怪盗キッド。
キッド「…久しぶりだな、名探偵。それに初めまして?美人なレディ。どこから気づいてたんだ?」
コナン「あの時おめぇ、左手に磁石を握ってただろ?おめぇが最初に次郎吉さんの頬をつねったり、ボディチェックを組みになってやろうと提案しなきゃトリックは成立しねぇし、もっとも、そのおかげでおめぇがキッドだと確信したんだけどな」
キッド「?外見は大してかわんねぇんじゃ…」
貴「…私が気付いたのは、ボディチェックの時。誘われた時驚いてたのも、真純が一学年上の男だと思ったでしょ?」
キッド「…?」
貴「…最初から間違えてたでしょ…真純の性別を」ニコ
キッド「!!…まさか、こいつ…女?!」
やっぱり誰にでも間違えられる彼女の性別、焦りのキッドを見ながら苦笑する
貴「…まぁ、個人的に貴方には会いたかったしね」
キッド「!?」
コナン「な!?れ、怜花…?どういう意味だよ?!」
貴「…ベルツリー急行では、協力者になってくれてありがとう。おかげで、大切な人が守られた」
キッド「…」
コナン(……怜花)
真っ直ぐ彼を見ながら身代わりになってくれたキッドに、ずっとお礼は言いたかった。だから、蘭に誘われた時に行こうと思った
キッド「……貴方のような美しい女性にお礼を言われるとは嬉しいですね。ですが…」
ガシッ
貴「!?」
キッド「お礼なら……ここが良いですね」ニコ
貴「……な、え」
唇に手を当てられながら言われ、意味が分かった私は顔を赤くしながらテンパる
コナン「…てめぇ、怜花から離れやがれっ!!」怒
キッド「ふん、名探偵は大人しくそこで……?」
ドドドドッ
勢いよくこちらに向う足音に気付く私達
ドガッ!
直後、彼の頭に強力な蹴りが繰り出される。転がるように飛ばされたキッド、蹴ったのは下着姿をした本物の真純