第53章 怪盗キッドと赤面の人魚9
貴方side
次郎吉「つまり水槽を組み立てた業者の中にも、キッドが紛れ込んでいたというわけか」
中森「ん?ちょっと待て!裏に張り付いていたんなら、何でいないんだよ?!水を抜いて探し回ったのに…!」
園子(コナン)「今も誰かが懐に隠し持ってるわよ」
中森「んなバカな、ここにいる全員のボディチェックはすんでるんだぞ?!」
園子(コナン)「いいえ?一人だけいるじゃない。免れた人物が…」
園子は、そう言いながらある人を指す
園子(コナン)「隠してるのはボディチェック前に頬をつねられ、変装じゃないのを証明した……次郎吉おじさんなんだから」
全「?!」
園子(コナン)「次郎吉おじさんの足元に刺さっていたカードよ。
おそらくカードにはこう書かれていたはずよ。【磁石にくっつく合成ダイヤまみれの亀が、本物のブラッシュマーメイドを背負っているとは思えないし、亀の名前はギリシャ神話の海神ポセイドン…。でも飼い主がイタリアの女優なら、ローマ神話の海神ネプチューンと普通は名付けるはず。そんな胡散臭い亀を高額で買わされたことを知らされたくなければ、こっそり回収するのが懸命ですよ】ってね…」
中森「…本当なのか?」
次郎吉「あ、ああ…これがそのカードじゃ」
次郎吉さんは苦笑いしながらしまっていたカードを見せる、遠隔操作ばかりしていたし、もう客に紛れて逃げたんじゃないかとコナンが言うと操作はすぐに終わる
★★
その帰り、博物館の中でトイレに行きたいと言った蘭と園子を待つため、コナンと私と真純は廊下で待っていた
世良「…でもさぁ、さっきの推理、不十分なんじゃないか?」
コナン「え?」
世良「あの仕掛けで亀はプレートの裏に隠せたとしても、宝石についてた長いネックレスはプレートからはみ出しちゃうと思うけど…」
コナン「多分、キッド自身も強力な磁石を持ってたんだよ。プレートからはみ出てるネックレスの止金をガラス越しに磁石に吸い付け、くるっと回してから離してプレートの磁石にくっつけて隠したんじゃないかな?」
貴「多分、カーペットでの目隠しの時に実行したのね。次郎吉さんの足元にカードを放ったのもその時。あれみんながもみくちゃで分かりにくかった。その証拠に蘭の携帯が開けた途端に真っ暗になったし」