第47章 怪盗キッドと赤面の人魚3
貴方side
次郎吉「…実はこの亀、曰く付きでの。知っておるじゃろう?半年前に海岸事故に遭って亡くなったイタリアの大女優を。これは彼女の飼っていた亀の『ポセイドン』だと言われておるんじゃよ」
園子「ポセイドン?」
次郎吉「そうじゃ。赤面の人魚の所有者は彼女だったしな」
蘭「でも、なんでペットに宝石を?」
次郎吉「船が沈む前にこの亀だけは助け、誰かに引き取ってもらおうと必死に接着剤で付けたという話じゃ」
現地の漁師が早めに水槽が浮いているのを見つけ、いろんな人の手に行き、次郎吉さんのトコに来たということらしい
貴「…でも、鑑定してもらったんですか?」
次郎吉「ああ。だが鑑定士が鑑定中に亀に指を噛まれてしまってな。亀は5月〜11月にかけて脱皮するそうじゃから、本当は脱皮で自然に剥がれた宝石の鑑定をしてから買うつもりだったが、待ちきれなくてな」
コナン(なるほど。宝石が亀の背中にある期間中に、キッドと勝負したかったわけね…しかも本物か偽物かも分かってない状態で…)
次郎吉さんの思い切った行動にコナンが呆れる
すると、部屋の入り口で誰かが声をあげる
中森「関係者以外は今すぐこの部屋から退出しろ。グズグズするなぁ!さっさと出てけ!」
貴「…中森警部?」
中森「…ん?……おー!久しぶりだな!怜花ちゃん!」
貴「どうも」
中森警部とは、目暮警部や父経由で知り合いだ
世良「…誰だ?怜花を知ってるって事は、刑事?」
蘭「警視庁捜査2課の中森警部よ」
世良「捜査2課?」
蘭「怪盗キッド専任の捜査官らしいけど…」
園子「そうそう。キッド様が絡むといっつもいるしね!」
世良「へぇ。じゃあいっつもキッドにしてやられてるのはあのおじさん……いてててっ!」
中森「坊主!聞こえなかったか?!関係者以外は出て行けって言っただろ?!」
貴「え、ちょっと中森警部…」
蘭「違うんです!世良さんはうちの高校の…」
園子「第一、坊主って…」
世良「仕方ないさ。僕は今日初めて刑事さんと会ったわけだし。それに頬をつねったのはキッドの変装か確かめるためだろうし……ね!」
そう言いながら、中森警部に強烈な一撃を食らわす真純
やられたらやり返すのが彼女だ