第42章 甘く冷たい宅急便10
コナンside
コナン(たしかあいつら、時間指定の荷物を届けに2丁目に戻るって言ってたな…)
歩美「コナン君!あんまりいじるとバレちゃうよ?!」
コナン「…あったぜ…博士ん家に届くケーキ」
元太「おお!今食べるのか?!」
コナン「バーロー。今度はこれにメッセージを仕込むんだよ!光彦の持ってたボールペンと、歩美ちゃんの持ってた綿棒を使ってな!」
光彦「荷物に何か書く気ならやめた方がいいですよ、コナン君!もしもあの二人に気づかれたら!」
灰原「それに、博士がそのメッセージにすぐ気付いてくれればいいけど…」
コナン「大丈夫、すぐに気づいてくれるさ…届ける相手は博士じゃねぇしな」
歩美「…え?」
宛先は、工藤家…
★★
光彦「ええ?!宛名の『阿笠博士 』の前に、『工藤様方』って書いたんですか?!それもボールペンで?!」
コナン「ああ。これで荷物は博士の元じゃなく、隣の工藤って家にいる昴さんのもとに届くはずだよ」
灰原「それで…彼がその荷物を受け取るのはいいけど、どうやってこの危機的な状況を伝えたのよ!」
コナン「考えてみろよ。そんな宛名をかけるのは、この世で俺くらいだろ? しかも書体や文字の色をよく見れば後でボールペンで書き足された宛名だってことくらい昴さんならすぐ分かる。
それに、そんなことができるのは配達中の宅配業者のトラックのコンテナの中ぐらいだってこともな」
歩美「そっか!」
元太「スゲェじゃん!」
コナン「まぁ、念のためにその配達伝票に、この状況を書いておいたしな…」
光彦「え?でもそんなことすればすぐにバレて…!」
貴「…多分配達伝票は、送り主の控えとかが数枚重なってる。一番上から書けば全部に複写される紙が使われててね…だから、配達人が届け先の人から受領印を貰って持って帰る受領証明書を荷札の下から引き抜き、荷札の上から綿棒で書き、証明書を伝票の中に戻せば…一番下の受取人控えに、コナンの字が複写されてることは沖矢さんが荷札をめくるまでわからないってこと」
コナン「ああ」
またコンテナの扉が開く
どうやら昴さんから別の荷物を配達するよう頼まれたらしい
コナン(やっぱり…思った通り…)
光彦「携帯電話…?」