第41章 甘く冷たい宅急便9
安室side
安室「梓さん、先程見せようとした紙って何ですか?」
ずっと気になっていた事を彼女に聞く
梓「ああ。実はレシートが…」
★★
安室「…え? タクシーのレシートの文字が消されていた? さっき僕に見せようとしていたのはそれだったんですか?」
梓「ええ…たしか、Corと、Pと、seって文字の間が消えてて、印刷ミスかなと思いましたけど…」
松田「…」
Corpse……コープス、死体…!!
安室「…その三毛猫が毎日ここに餌を強請りに来るのを知っているのは?」
梓「わりと最近来るようになったから…知ってるのは私とマスターと怜花ちゃんと安室さん、後はコナン君くらいですけど…」
松・萩「!」
安室「へぇ…江戸川コナン君、ですか…」
最近推理力に興味を持ってる彼の名前に、口角を上げる
梓「それと……このレシートを取るときに首輪に触ったんですけど、かなり冷たかったような……」
安・松・萩「!!」
そこまで聞いて、出来る限りの状況を把握した
松田「そのレシート、どこに飛んだ?!」
梓「え!?…えっと、確か、あっちの方に…」
萩原「陣平ちゃん!行こ!」
松田「ああ」
2人は、机に料金を置きながら店を出る
アイツ等、先に行きやがって…
安室「…すみません。マスターには、体調を崩して早引きしたと言っておいてください。今日のバイト代はいらないからと!」
梓「え、あ、はい…」
呆然となる彼女に背を向け、僕は松田達を追う
安室(風力、風向き、この周辺の建造物の立地条件を考慮に入れてシュミレーションすれば、風の流れが読めて飛ばされた先が絞り込めるはず…!)
☆☆
コナンside
トラックは2丁目に戻っている途中
元太「くそっ…本当だったら博士ん家でうめぇケーキ食えてたはずなのによ…」
歩美「横浜のケーキ屋さんだってさ…」
コナン「横浜…?博士ん家に届くケーキって横浜の店なのか?」
哀「ええ…私たちの帰宅に合わせて時間を指定したらしいけど、今日は私たち学校の都合で早めに帰ってこられたから…」
灰原がそう言うと、俺は荷物の山を物色し始めた