第34章 甘く冷たい宅急便2
貴方side
元太「げっ…中に入りやがった」
歩美「大変!」
近くの横断歩道を渡り、そのトラックのところに駆け寄る
光彦「コンテナの中の魚の匂いとかを嗅ぎつけたんでしょうか?」
貴「とにかく、動く前に連れ出すよ」
歩美「うん!」
幸い運転手が不在な為宅配業者の姿はない、連れ出す為にコンテナの中に入った
元太「さ、さみぃ!」
貴「これ、冷凍車だからね…早く探そう」
歩美「大ちゃんー」
何度か声を掛けると、鳴き声がし荷物の隙間に大尉はいた
歩美「あ!いた!」
元太「まったく人騒がせな猫だぜ…」
光彦「ホントですね…」
コナン「さぁ、行くぞ」
すると開いていた扉から、微かに声が
?「ったく…また扉開けっ放しじゃねぇか!」
?「ああ、悪ぃ…」
?「気ぃつけろよ」
バタンッ
何と私達に気づかないのか、扉を閉め施錠までしてまう業者の人達
貴「?!な…」
全「?!」
そのまま気付かず、トラックが出発してしまう
光彦「僕たちに気づかずに発進しちゃいましたよ!?」
元太「ヤベェじゃねぇか!」
歩美「歩美達も凍っちゃうの?!」
貴「…!大丈夫だよ」
コナン「ああ。本日指定の未配達の荷物がまだこんなにあるからな」
貴「次に業者の人が扉を開けたら、事情話して出してもらいましょう」
哀「……!?」
★★
しばらくしてトラックが止まる
元太「あ、止まったぞ!」
光彦「きっとあの人たちびっくりですね!中から僕たちが出てきたら!」
歩美「でも、怒られちゃうね」
貴「大丈夫、正直に理由を話せば…」
哀「ダメ!!今出てったら、許さないわよ?!」
光彦「は、灰原さん?」
コナン「ん?」
コナンは腕時計のライトを点け哀を照らす。すると、哀は下着だけの姿でその場に座り込んでいる
貴「えっ…どうしたのその格好?!」
哀「セーターの紐がどこかに引っかかっちゃって、全部解れて持ってかれちゃったのよ!」
すると外から大人の足音が聞こえ、哀を隠しながら奥の荷物の影に隠れた。
同時にコンテナの扉が開く