第32章 漆黒の特急 終点
安室side
バーボン「さぁ、その扉を開けて中へ」
8号車の後ろ、貨物車の前に来る
僕の指示にて、シェリーは扉を開けて真っ暗な中へ後ろ歩きで入る
バーボン「ご心配なく…僕は君を生きたまま組織に連れ戻すつもりですから…爆弾で連結部分を破壊してその貨物車だけを切り離し、止まり次第僕の仲間が君を回収するという段取りです。その間、君には少々気絶をしてもらいますがね…」
そう言いながら、懐から取り出した中くらいの爆弾を連結部分に取り付ける
バーボン「まぁ、大丈夫…扉から離れた位置に寝てもらいますので爆発に巻き込まれる心配は…」
志保「大丈夫じゃないみたいよ」
バーボン「え?」
シェリーは貨物車の中の荷物に被さった布を取り払う、そこには無数の爆弾が
バーボン「?!」
シェリー「どうやら、段取りに手違いがあったようね…」
…なるほど。ベルモットは是が非でも彼女の命を絶とうという腹積りか…
このままではまずいので作戦を変更し、貨物車に閉じこもってしまったシェリーに、手荒くいこうと爆弾へ拳銃を向けた時…
ガラッ…
バーボン「ベルモットか…悪いが彼女は僕が連れて…!」
そう言いかけた時、何かが外れる音ともに彼の足元に何かが転がり見ると
バーボン「手榴弾?!」
ドアの陰に潜む者に向けて、俺は拳銃を向ける
バーボン「だ、誰だ?!誰だお前?!」
微かに隙間から見えたのは、俺が一番嫌いな男の眼光に似ていた
トガアアンッ
次の瞬間、手榴弾は爆発し8号車と貨物車の連結部分を破壊してしまう
8号車側に立っていた俺は無事だったが、切り離された貨物車は孤立して徐々にスピードを落とす
そして、貨物車は赤い鉄橋の上で止まってしまいベルモットの爆弾によって、大きな音を立て爆発してしまう…
安室(…っくそ……助けるつもりが、死なせてしまうなんて…っ……)
後悔で表情を歪めてると、メールが届く
安室「っ!!」
相手は怜花、どうやら先程のシェリーは変装したキッドらしく彼女はヒロと一緒に居て無事らしい
どうやら、怜花達はベルモットの考えを読んでキッドに頼んだみたいだが………俺にも、伝えといてくれ…
安心しながら、終点に着いたベルツリー急行を出る…