第31章 漆黒の特急 正体2
貴方side
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哀「怜花さん……欺くって言っても、ベルモットは勘が良いし…作戦も考えてるはず…」
沖矢「有希子さんが、今対峙してるみたいだな」
貴「…大丈夫です。欺くのは、有希子さんだけじゃない……もう1人、スペシャルな協力者が居ますので」
3人「!?」
すると、タイミングよくメールが来る
内容を見ながら、返信を打ち…新一から送られて来た番号にかけ、通話モードにする
貴「哀。この携帯で志保になった時に言うべき言葉を代わりに話して。志保に変身してる、キッドの為に」
哀「!?キッド…」
諸伏「こりゃ、凄い協力者だ…」
沖矢(…中々やるな、コナン君も…)
もう1人の協力者に、哀は目を見開いて驚愕
まだ状況を理解できていないようだが、受け取りながら携帯を耳に押し当てる
★★
安室side
変わって、8号車
煙に包まれたこの空間で、一人の茶髪の女性…宮野志保になり前の車両に逃げず壁に手をつきながら咳き込んでいた
その後ろから、気配なく近寄る
バーボン「…さすがヘルエンジェルの娘さんだ。よく似てらっしゃる…」
志保「!!」
不意にかけられた声に顔をこわばらせた彼女は、バッと後ろを振り返る
バーボン「初めまして。"バーボン"…これが僕のコードネームです」
…彼女を救う為に、バーボンとして演技を始める
バーボン「"バーボン"…このコードネーム、聞き覚えありませんか?君のご家族とは会ったことがあるんですが…」
志保「ええ、知ってるわよ…お姉ちゃんの恋人の諸星大とライバル関係にあった組織の一員…お姉ちゃんの話だと、お互い毛嫌いしてたらしいけど…」
諸星大は、FBI捜査官・赤井秀一の組織での偽名
ヒロを撃たなかったのは、知ってるが…個人的に嫌いな男だ
バーボン「ええ。僕の睨んでいた通り、あの男はFBIの犬でね…組織を裏切った後、殺されたっていうのがどうにも信じ難くて…あの男に変装し、あの男の関係者の周りをウロついて反応を見ていたんです…おかげであの男が本当に死んでいることがわかりましたけど……では、手を上げて移動しましょうか。8号車の後ろにある貨物車に…」