第29章 漆黒の特急 交差3
貴方side
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その後、安室さんと別れ私達は部屋で大人しく座っていた
隣には俯きながら座っている哀、表情は強張ってる
哀(どうしよう…もしも…もしも、本当に組織の人間が私を狙ってこの列車に乗り込んでいるのなら…)
恐怖で考え込んでる彼女に、一通のメールが来た
哀「!?………(…覚悟は決まった?Vermouth…)」
偶然横から見えた私は、表情を険しくする
すると、哀はイスから動きトイレに行くと言い部屋を出る
★★
哀side
怜花さん達から離れ、私は影にて薬を出していた
哀(ごめんお母さん…私、分かってなかった…こんな薬…作っちゃいけなかったって…)
他の大切な人達を、危険に晒すくらいなら……私だけで…
そんな気持ちで、薬を見ながら涙してると…
ガチャ…
哀「?!」
沖矢「…」
目の前のドアからは、あの沖矢昴が。ずっと警戒していた人
桜「……彼女が…」
哀「!?」
もう1人、中から見た事のない人……この人も、かなりの威圧感を感じる…
沖矢「流石は姉妹だな…行動が手に取るようにわかる…」
哀(…!?……姉妹…?)
不思議な感情と、恐怖な感情が合わさり動けずに居ると…
ガシッ
哀「!?」
貴「…シッ…」
哀「!……怜花…さん」
私の腕を掴んだのは、先程分かれた怜花さん
手で静かにするようにジェスチャーする
貴「中に入って、哀」
哀「……で、でも…」
貴「大丈夫だよ……この2人は、大丈夫。私を、信じて」
哀「…」
真っ直ぐに伝えてくる言葉に、最初に会った事を思い出す
しばらくして、頷きながらその部屋に入る
バタン…
哀「…怜花さん、どういう事…?この2人は…」
貴「あー…まず、自己紹介してくれませんか?哀が警戒してるんで……本当の、名前で」
哀「!?」
……本当の名前って……まさか……偽名?!