第28章 漆黒の特急 交差2
貴方side
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哀(嫌な感じ…さっきからずっと続いてる)
哀は辺りを見回し、警戒している。
私から離れずくっついている、やっぱり組織に関してかなり警戒している
その時…
貴・哀「!?」
私達の横を歩く男を見て、私も哀も息を呑む、途端に体を震わせる哀に気付き後ろに隠す
貴(……この男、まさか……ベルモット…?)
?( !……彼女は、シルバーブレットの…幼馴染…)
すれ違いざま、私と男の視線は交錯する。
そのまま男は視線を外して私たちを通り過ぎる
威圧感を受け、私は息を吐く
……尋常じゃない殺気…あれが、ベルモット……流石に、私でも分かる位
蘭「あれ?貴方も乗ってんですね!安室さん!」
貴・哀「!」
蘭の声にて振り向くと、安室さん曰く零さんが立っていた
ミステリートレインに居るのは、バーボンとしての任務だろう
けど、実際は……NOCだとバレないように、今回は哀を救う為に演じている
安室「運良くチケットを手に入れたんで。あ、さっき食堂車で毛利先生にお会いしましたよ」
園子「…ねぇ、誰よこのイケメン!」コソコソ
蘭「前に話した、父さんの弟子になりたいって探偵さん」
園子「へぇー、この人が…!どうも〜、鈴木園子でぇーす!」
安室「よろしく…あ、怜花さんも居らしてたんですね!」
貴「こんにちは」
にこやかに笑う彼に、あまり見慣れない為苦笑中
園子「怜花、知り合いなの?!」
貴「え?あ、うん。ポアロで一緒に働いてる人だし」
園子「はぁー?!ちょっと怜花!浮気は駄目よ、アンタには旦那が居るでしょ!!」
貴「は?!だから旦那じゃないし!!」
安室「……旦那…?誰です…?」ニコ…
何故か黒い笑みの零さん
園子「昔からの幼馴染の工藤新一君ですよ!」
貴「だからっ、新一とはそういうんじゃ」
園子「全く!新一君もどこほっつき歩いてんのかしらね!」スルー
蘭「ほんとよ!しかも最近は刑事さん達とも仲良い人達居るんだよ!?」
園子「なっ!他にも居るの!?」
貴「人の話聞かんかいっ!!」怒
自分を無視しながら話す親友達に、誤解を解きながら叫ぶ
安室(……幼馴染の、工藤新一君…か…)