第27章 漆黒の特急 交差1
貴方side
こじ開けられたチェーンロック、遺体が右手に持っているサイレンサー付きの拳銃、そして、椅子にもたれるように亡くなった遺体
……これは…
貴「…密室殺人…」
園子「え?!自殺じゃないの?」
貴「誰かが米神に拳銃を打ち込んだと思う」
蘭「でも、この部屋チェーンロックがかかってたから、無理やり鎖を引きちぎって入ったよね?だから自殺なんじゃ…」
世良「そのロックをかけた方法はまだ謎だけど、米神の銃槍の周りに焦げ跡がない。離れた位置から打たれた証拠さ。拳銃で米神を打つ時、銃口を頭に密着させるはずだからね…」
園子「でもさぁ、打つ直前に怖くなって思わず話しちゃったとかは?」
コナン「それはないと思うよ。拳銃の先にサイレンサーがついてるでしょ?こんなに長いものを多から離して打つなんて無理があるんじゃない?」
貴「…それに、向かいのソファには拳銃で打ったような跡がある。多分、被害者の袖口なんかに発射残渣を付けて自殺に見せかけるために、遺体に拳銃を握らせて一発余計に打ったのよ」
世良「犯人にも発射残渣はつくけど、手なら洗えばすぐに落ちるし、服は部屋の窓から捨てちゃってるだろうな」
犯人はまだ確実にこの列車内にいるな
下を見てると、コナンは携帯を見ながらこちらに視線を寄こす
コナン「じゃあ、オメェらは蘭姉ちゃん達と部屋に戻ってろよ」
光彦「え?僕たちも何か手伝いますよ!」
歩美「歩美も!」
コナン「余計な事はすんな!オレが戻って来るまで部屋に鍵を掛けて、誰が訪ねて来ても絶対開けんじゃねーぞ!!」
子供達「!?」
蘭「…コナン君?」
コナン「!…あ」
貴「ほ、ほら!殺人犯がまだ列車内に居るからコナンは皆が心配で怒鳴っちゃったんだよ……ね?」
コナン「!う、うん」
咄嗟にフォローしながらその場を切り抜ける
その後、車掌さんに知らせた私達はコナンと何故か残ると言った真純を残して6号車に戻る
あの2人なら、事件は解決に導くだろう
アナウンス【お客様にご連絡します。先ほど、車内で事故が発生したため、当列車は予定を変更し最寄りの駅で停車する事を検討中です。お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、こちらの指示があるまでご自分の部屋で待機し、極力外には出られぬよう…】